港区南青山〜清水湯〜

今回伺うのは東京の超おシャレタウン南青山。
そんな街にある銭湯はどんなものなのか。
青山の地に100年以上の歴史を持つ清水湯さんへ、いつも通り場所と営業時間だけ調べて、車で向かう。

グッと冷え込んできた11月上旬。
小雨も降り、より寒さを感じる。

近隣にある安い駐車場はどこも満車のため、住宅街にある目玉が飛び出る程の高額コインパーキングに車を停め、歩きながら向かう。

原宿〜表参道付近とは違い、南青山の住宅街には派手な店がほとんど無く、ガレージ付きの大きな家の隣にスイーツショップや小物屋があり、落ち着いた雰囲気の街だ。
南青山の住宅街から大通りに出ると、表参道の駅前の大きな交差点に出た。
その表参道の交差点から赤坂方面に2〜30メートル先、とはいえ交差点からほんのすぐそこに立派なポルシェの販売店がある。
今回伺う銭湯は、ポルシェの脇の道を入ってすぐの場所。

『南青山のポルシェ屋さんの裏の銭湯』

立地だけで、なんてオシャレなんだ。

脇の道に入ってすぐなので、こちらの銭湯に来るのに迷うことはなさそうだ。
まさかの場所にある銭湯は、こちらもまた看板が無ければ銭湯とは思わないだろう。
五階建て程のマンションの一階部分が銭湯になっているようだ。
いつ頃なのかはわからないが、建物自体はかなり新しいと思われる。

中に入る前、外観を眺めるもなんか違和感。
銭湯らしくない看板だ。
入口には『スライム出没注意』とあり、何かイベントの会場のような感じだ。

これは途中からわかったのだが、
『転生したらスライムだった件』
というアニメとのコラボ企画だったようだ。
外装からわかる通り、相当派手なコラボ企画をやっていて、いたる所に装飾や展示があり、元々どんな感じだったのかが非常にわかりにくい感じになっている。

以下、コラボ中の装飾と思われる物についての詳細は省略する。

建物に入ると、まずは下駄箱。
下駄箱はロッカー式で、この時点でここの銭湯が相当綺麗で新しいことがわかった。
下駄箱の時点ですでに音楽がかかっている。

ドアの先へ進むとフロントがあり、券売機で入浴券を買う。
フロントのカウンター前には利用客のキャリーバッグが並んでいるので、旅行者も多く訪れているのがわかる。
今まで都内の銭湯でキャリーバッグは見たことなかったので驚いた。

券売機では通常の入浴料の他にサウナや手ぶらセット等もある。
今回はサウナ利用、シャンプーやタオル類全てが付いて1310円と、東京の公衆浴場の値段が460円なので、追加料金がかなり高め。
しかしそこは南青山なのでよしとしよう。

カウンターには若い女性がおり、下駄箱の鍵と券を渡すと、ロッカーの鍵を渡してくれる。
どうやらここのロッカーは指定式のようだ。

脱衣所はこじんまりとした感じだが、かなりオシャレで綺麗。
利用客が多く、スーツ姿のお客さんの姿も。
ロッカーの鍵は、なんとワイヤレス!ロッカーに近づけると自動で解錠する。
このロッカーのシステムは初めての体験だ。斬新過ぎる。

浴室に入ると、まず人の多さに驚く。
しかし人数はさほど多くなく、コンパクトな浴室に密集しているように感じた。
音楽がかかっていて、ペンキ絵やタイル絵等は無く、銭湯よりオシャレなホテルの大浴場のような雰囲気。

ビル型銭湯、通称『ビル銭』特有の天井の低さもあり、ちょっと狭く感じる。
床のタイルは濃いグレーで、カラン周辺は石のタイルでできている。
入って左側にあるカランは、対面の島カランが2ずつで、それを囲うように12カ所並び、少し離れた所に立ちシャワーが2カ所。

昔ながらのカランではないのが少し残念だったが、とても綺麗で扱いやすかったのが印象に残る。
ざっと身体を洗ったら、湯船へ。

こちらの湯船は3種類。
まずは1番先に目に入った、入って右側にあるジェットの付いた風呂から。
5人くらいは入れるだろうか。
温度は大体41度位で、ゆったり入るのが好きな方には最適の温度になっている。
壁がガラスブロックになっていて、明るい光が浴室内を照らしている。
マッサージ効果でリラックスできるのだが、人が多く居心地が悪かったため、サッと入っただけですぐに出てしまった。

続いて扉の向こうにある風呂へ。
入った時には気がつかなかったが、この扉の脇には掛け湯がある。
少しぬるめだが、手桶もあるので出る時に使うのもいいだろう。

扉の向こうには『高濃度炭酸泉』と『スライム風呂』がある。
どちらも3人入れば満員位の大きさ。
浴槽の外にはプラスチック製の椅子が数脚あり、そこで休憩できるようになっている。

まずは炭酸泉へ。
こちらは40度あるかないか、かなりぬるく感じた。他に入っている方も、顎下までしっかりと浸かっている。
隣のスライム風呂も同様の温度。
もちろん、スライム風呂はコラボ企画のものであり、普段はシルクバスというそうだ。
シルクバスはかなり滑らかな湯質で、ゆっくり時間をかけて浸かることができる。
これは女性人気が高そうだ。

しかし熱湯が好きな私には風呂に物足りなさを感じてしまった。

続いてサウナへ。
サウナ室内にはテレビが設置してあり、温度は86度。
他の風呂の大きさからすると結構大きめで、6人位は余裕で入れるようだ。

10分ほど汗をかき、サウナのすぐ脇にある水風呂へ。
水風呂は最大3人ほどの大きさで、水はしっかりと冷えている。
身体の熱を冷まし、しばらくぼーっとする。
サウナ好きには最高の時間だ。
サウナ→水風呂を数回繰り返し、風呂を後にする。

脱衣所から出ると、ラウンジには多くのお客さんで賑わっていた。
飲み物は一通り揃っているが、珍しい物ではベルギービールなんてのも置いている。

ここの銭湯、どの客層にも合わせた配慮があちこちに見えたのがとても好印象だった。
個人的にはお湯の温度が物足りない位だったが、友人同士、恋人同士、子連れの家族でもみんなで楽しめる銭湯だと思う。
化粧水や乳液等も売っているので女性にも安心だろう。

隅々まで綺麗に掃除されており、清潔感では過去最高ではないだろうか。
東京表参道からすぐ、南青山にオシャレな銭湯をみつけました。


今日も、いいお湯でした!


アクセス度 
雰囲気   
清潔感   
湯加減   
また来たい度

南青山 清水湯

大田区羽田〜入船湯〜

今日の銭湯は日本一の大空港、羽田空港のすぐ近く。
最寄駅は京浜急行穴守稲荷駅。
今回伺う入船湯は、なんと江戸時代から続く銭湯だそうだ。

晴天、最高のドライブ日和の午前中に車で向かう。
『羽田』というと、自分の中では完全に空港のイメージ。
なので、恥ずかしながら空港以外で『羽田』って町があるのを今回初めて知った。

湾岸線ではなく、蒲田方面から環八通りを進む。初めて通る道だ。
付近に到着すると、天空橋駅に向かう橋がかかっている。
その橋の手前を海沿いに曲がると、そこは昔の雰囲気漂う漁師町。
サイクリングしている人や、海沿いを散歩している家族連れもいる。

銭湯近くに土手があり、海沿いに漁船が並ぶ。
知らなかった。羽田って漁師町だったのか。
どことなく、横須賀市平成町埋め立て前の安浦の雰囲気に似ている。

ナビ通りに進むと、漁師町の中の住宅街に入る。道はかなり狭いが、迷うことなくすぐに着いた。
建物は一階部分がタイル張りになっていて、二階から上は居住スペースになっているようだ。
青と白の独特な雰囲気の看板に、大きく『入船湯』とかかれている。

いつも通り近隣のコインパーキングを探すも全然見つからず、戻ってご主人に駐車場の場所を聞いたところ、建物脇のスペースに駐車できるとのことで、そこに置かせてもらった。
縦列で最大3台まで駐車可能とのこと。

さて建物内へ。
靴を脱いで札を抜き、入ってすぐのフロントへ。
フロントのご主人に色々話を伺うと、やはりここら辺は漁師町で、常連さんは夏になると上半身裸のまま入店してくるようだ。
なんかその辺も横須賀っぽい。

脱衣所はいくらか古く見えるが、清潔が保たれている。
こちらはごく普通のロッカー式。
脱衣所中央にもロッカーがあり、その上には植物とうちわが置かれていて、マッサージ機も設置してある。

さっと服を脱ぎ、いざ風呂場へ。

先客は高齢の方2名のみ。
風呂場の全体の印象はさほど大きくなく、明るい感じ。湯気も篭っていないのでいい感じだ。
正面の壁には雪の山と川のタイル絵が貼られている(記憶が曖昧な部分あり)。
正面壁添いに湯船が並び、左手前にサウナ。

カランはいつもの縦並びになっていて、
左から、
2(立ちシャワー)+2、
対面鏡付き島カランが5ずつ、
右壁沿いに10。
シャワーは固定式。

湯船に浸かる前に、まずはサッと身体を洗う。
軽く洗ったら、湯船へ。

浴槽はとても妙な形をしている。
壁添いに並んでいるのだが、どれも四角形ではないのだ。
左から日替わり?の珍しいヒアルロン酸風呂(L字)。
普通の風呂(五角形)。
バイブラ湯と電気風呂(変則L字)。
となっている。
普通の風呂の壁には岩が張られ、バイブラ湯の壁にはなんと水槽が埋め込まれている。
さほど大きくはないが、立派な水槽だ。
その中には海沿いの銭湯なのに、金魚が数匹泳いでいる。これがアジとかなら最高なのに。

まずはヒアルロン酸風呂へ。
この手の薬湯はだいたい温度は低めに設定してあることが多いのだが、ここの温度は46とかなり高め。
熱いお湯が好きな自分としては嬉しい所だ。

隣の風呂も、マッサージ湯も電気もここよりぬるめに設定してあり、ゆっくり入るのが好きな方はこっちがいいだろう。
しかし湯船自体があまり大きくないので、混雑時はあまりゆっくりできないかもしれない。

続いて無料サウナへ。
MAX7人位入れるサイズのサウナは92度ほど。
貸し切り状態のサウナを楽しみ、外へ出るも残念なことに、こちらの銭湯には水風呂が無い。
桶で水をかぶり身体を締めるが、サウナ好きとしてはかなり残念だった。

時間が無く、あまりゆっくりできなかったがまた行きたい所ができた。
蒲田〜羽田空港辺りに遊びに行く時は、是非立ち寄ってもらいたい。


今日も、いいお湯でした!


アクセス度 
雰囲気   
清潔感   
湯加減   
また来たい度

羽田 入船湯

国分寺市東元町〜桃の湯〜

この日は東京都国立市まで、あの有名な銭湯絵師丸山清人師にペンキ絵を習いに行ったので、その帰りに車で向かう。

当初の予定では国立市唯一の銭湯に行くつもりだったのだが、この日はあいにくの定休日。
それを知ったのが夕方の帰る直前だったので、焦って検索して行きやすそうな所を見つけて向かう。

場所は国分寺市。
それ以外は何もわからないままナビ通りに道を進み、到着した頃には外は既に暗くなっていた。
帰ってから地図で調べたのだが、最寄駅は国分寺駅だったようだ。
国分寺駅の南側に位置する。

こちらは歩道のない商店街の様な通り沿いにあり、建物のすぐ近くに銭湯利用者用の駐車場を見つけたので、そこに駐車。
建物は通りから車一台分ほど奥まった所にあり、建物前には自動販売機や利用者の駐輪場となっている。

こちらは店頭にコインランドリーがあり、コインランドリー店内を通り抜けた先に銭湯の玄関がある為、少し変わった造りをしている。
外観を眺めると、コインランドリーの向こうに高い煙突と立派な千鳥破風が見える。

店内に入り靴を脱ぎ、下足箱の鍵を抜いたら正面にあるフロントで入浴料を支払う。
向かって左側にはソファーとテーブル、テレビが設置してあり、ちょっとした休憩スペースになっている。
ここの空間は、銭湯というより民宿や旅館の雰囲気に近いか。
床が赤っぽい絨毯で、あちこちにレトロな雰囲気を感じる。
フロントのまわりには入浴に必要な様々な商品が並んでいるので、おそらく手ぶらでも問題なく入れると思う。

入浴料を支払ったら左手の男湯へ。
男湯へは暖簾ではなくカーテンで仕切られていて、カーテンの先はすぐ脱衣所。
脱衣所はベーシックな感じだが、オシャレな照明が吊るされていた。
こちらは脱衣籠ではなくロッカー式。
そういえば、今まで行った都内の銭湯は全てロッカー式で、脱衣籠を使う所はなかった気がする。
飾りのように籠が置いてある所はいくつかあったが、流石に今の時代は籠だけでは心配か。

2つ並ぶ洗面台はずいぶん古く感じ、ドライヤーは有料となっている。
脱衣所には何故か大きなガラス窓がついており、その先には小さな部屋のような所が見える。

服を脱いだらいざ風呂場へ。
風呂場の第一印象は、温度と湿気。
天井は高く、昔ながらの銭湯を以前少しリニューアルしたような印象がある。
しかし浴場内の温度と湿気がずいぶん高い気がする。
せっかく天井が高いのだから、もう少し湯気抜きをしたらいいのに。

壁、天井は白いペンキで塗られているが、ずいぶんとはげている。
正面には茶色いタイルが張られている。壁の大きさからして、ここもおそらく以前はペンキ絵だったのだろう。

カランは左壁沿い手前から立ちシャワーが2、シャワー固定式カランが4。
島カランは鏡付き、シャワー固定式で、左側は対面で5ずつ、右側が6ずつ、右壁沿いに7。
サッと身体を洗い、湯船へ。
湯船は3つあり、左がマッサージ付きバイブラ、真ん中に浅湯、右に深湯が並んでいる。
浴槽には全て濃い紺色のタイルが張られている。

まずはちょい狭めの深湯から。
勢いよく湯船へ入ると、お湯の温度に驚いた。
温度計は46度と、かなり熱めの風呂だ。

熱い風呂に浸かると一気に毛穴が開き、玉のような汗が噴き出す。
自分は熱いお湯が好きだからなんとも思わないが、小さな子供はまず入れない温度だろう。

先客が3人おり、そのうちの2人は隣の風呂に浸かっている。
ずいぶんリラックスして入っているように見えたが、こちらも温度は変わらず。
さすが常連さん、慣れている。

深湯から飛び出し、少し身体を冷ましたら一番広い真ん中の浅湯へ。
いつもなら風呂に浸かりながらリラックスできるのだが、今回は状況が違う。
平日の夜7時を回って、現在国分寺の銭湯。
なかなか現実離れした状況だ。

浅湯から出たら、またしばらく身体を冷ます。
汗がひいてきた頃、立ちシャワー隣にあるドアが開いた。
そのドアから出てきたのは、さっき湯船にいた先客の1人。

よく見たら、そこはサウナのようだ。
何も書いてなかった気がするが、無料なのかな?
せっかくだからと思い、その先客が再度中に入った直後に入室。

そこは造りでわかる、いつものドライサウナではなく、低温のミストサウナの造りだ。
しかし、明らかにサウナが稼働していない。
ミストも出ていなけりゃ温度も常温。
そんな中、その先客は室内のベンチの上に寝転び、顔をタオルで隠しながらストレッチをしていた。

『すみません、ここって・・・』
と言いかけるとすぐにストレッチ中の手を横に振り、『やってないよ』の合図。
なるほど、このおじさんの休憩スペースだったのか。。。
この時わかったのだが、さっき脱衣所から見えていた部屋が、まさにこのサウナ室だったのだ。
つまり、脱衣所からサウナが、サウナから脱衣所が丸見えなのだ。
横須賀にも一軒あるが、面白い造りだ。

最後にバイブラ湯に浸かり、水をかぶって風呂場を後にする。

帰りのカウンターで、ドライゼロの試供品を見つけた。
そういえば、全国各地の銭湯で無料配布するって聞いた気がする。
せっかくだから貰おうとすると、なんと冷蔵庫からキンキンに冷えた物をいただいた。
もちろん、外に出るや否や一気飲み。

涼しい風が吹く中、気分と疲れをリセット。
さて、ゆっくり横須賀までドライブだ。
初めて国分寺市に来たけど、銭湯以外全く何も見れなかったので、今度は遊びに来よう。



今日も、いいお湯でした!



アクセス度 
雰囲気   
清潔感   
湯加減   
また来たい度

国分寺市 桃の湯

横浜市西区戸部町〜松島館〜

場所は横浜市西区。
京浜急行横浜駅の隣の駅である戸部へ。
久しぶりに行ったことのない銭湯に行くので、かなり楽しみにしていた。
いつも通り営業時間以外は下調べせずに、ナビだけを頼りに向かう。

その日は初夏の陽気で気温が高く、今年初めての半袖での外出。
暖かな風が吹く午後2時半過ぎに、無事到着。
通り沿いからすぐ見えるが、少し前までは道路沿いに別の建物があり、少し奥まった場所に建っていたようだ。
別の建物があった所は、今は銭湯の駐車場になっている。

開店が午後3時なので、少し早めの到着。
せっかくこの時間に来れたのだから、一番風呂に入りたいところだ。

3台ほどある駐車スペースに車をとめて、いつものように外観を眺めていると、銭湯のおかみさんらしき人が外におり、軽く会釈をしてくれた。
その女性はそのまま建物の中へ。

この時気付いたのだが、開店時間前なのに既に暖簾がでている。
どうやら既に開店しているようなので、外観は入浴後にゆっくり眺めるとしよう。

レトロな造りの下足箱に靴を入れ、右手の男湯へ。
こちらは昔ながらの番台だが、おかみさんは女湯の方にいる。
番台には各種販売品が置かれている他に、小さなラジカセが1つ。
そのラジカセからは、なんとも言えないノスタルジックな曲が流れている。
演歌でも歌謡曲でもない、ハーモニカのノスタルジーな曲。
これは反則じゃないのか。こんな素敵な曲を流されたら、本当に自分が昭和へタイムスリップしたような感覚になるではないか。

入浴料を支払い、脱衣所へ。
脱衣所も昭和銭湯そのものの造りをしていて、高い天井、古いマッサージ機や体重計、大きな鏡と、どれを取っても味のある素敵な空間だ。
ラジカセから流れる素敵な曲に耳を傾けながら服を脱ぎ、脱衣所中心にあるロッカーに衣類を入れる。

入る前にこんな気持ちになるのは久しぶりだ、楽しみで仕方がない。
さぁ、いざ風呂場へ。

風呂場も他所と基本的な造りは変わらず、奥に湯船、手前にカランとなっている。
ペンキ絵は平成24年に描かれた西伊豆からの富士山。立派だ。

浴室には既に5人ほどの先客がおり、先客全員が常連さんのようだ。
よそ者の私は桶と椅子を手に取り、カランを陣取る。
カランは左壁沿に7(この列のみ固定式シャワー付き)、鏡付き島カランが対面で5ずつ、右壁沿に4、一番奥だけ立ちシャワースペースが設けられている。

カランから出るお湯は熱めで、これまた私の好み。
サッと身体を洗ったら、お待ちかねの湯船へ。

湯船は2つ。
左が深湯、右が浅湯となっている。
お湯の温度は少し熱めで、子供が入るにはちょっと熱すぎる位。
でもとても入りやすい湯質なので、熱いのが大丈夫であれば誰でも気持ちよく入れるだろう。

深湯と浅湯を交互に入り、バイブラの気泡に包まれながらゆっくりと上を見上げると、傾きかかった日差しが浴室内に差し込み、白く塗られた壁に日が当たっている。
夜の銭湯も好きだが、明るいうちに入る風呂もまた格別だ。

少し体の熱を冷ましてから風呂場を後にする。
相変わらず流れる最高のハーモニカの音色。
ゆっくりと服を着ながら、少しおかみさんと話させてもらった。

外に出ると、カラッとした陽気なので湯あがりは最高にサッパリしている。
外に出て建物裏へまわると、古い煉瓦造りの倉庫があった。
凄く味のある、古い倉庫は薪等の倉庫だろうか。

ここはみなとみらいや横浜駅等、歩いてすぐの所に大きな街や建物が多いが、スッと脇に入れば落ち着ける場所がある。
隠れ銭湯、またいい所を見つけました。

今日も、いいお湯でした!

アクセス度 
雰囲気   
清潔感   
湯加減   
また来たい度

横浜 松島館

大田区南千束〜八幡浴場〜

この日行こうとしていた銭湯が臨時休業だった為、急遽近くの銭湯を探し、見つけた銭湯へ。
その時いた場所から一番近いというだけで、下調べは一切しないで向かうことに。

地図から見ると、ここの銭湯は駅からそう離れてはいないが、いざ着いてみると付近には自動販売機があるくらいの静かな住宅街。
どことなく横須賀に似た、坂道の多い町だ。

近くのコインパーキングに駐車して、雪の残る坂道を歩いて向かう。

建物の外観は落ち着いた感じの建物で、大きな看板は見当たらない。
目線より少し下に小さな看板がある位。
急遽来たので営業時間を確認しておらず、銭湯に着いたのが開店10分前。

車に戻らず、せっかくなので一番風呂に入るために凍えながら待つことに。
銭湯前には既に常連さん達が数人いるが、皆さん並ぶでもなくバラバラに立っている。
なんとなく、自分もその辺に立って待つことに。

シャッターオープンとともにおかみさんとみられる女性が出迎えてくれた。
下駄箱に靴を入れて木の札を抜き、フロントへ。

ここは10数年前にリニューアルをしたそうで、それまでは番台式だったそう。
フロントの前には腰掛けられるスペースがあり、テレビも設置してある。
脱衣所は特別変わったことはなかった。
ロッカー式で、ロッカーの前には大きなベンチが置かれている。

服を脱いだら、いざ風呂場へ。
風呂場はシンプルな造りをしていて、奥に数種類の湯船が並び、手前のカランは左壁沿に4、鏡付きの島カランは対面で5、右壁沿に5、右手前に立ちシャワーとなっている。

ここはペンキ絵ではなく、夕日が描かれたタイル絵。
天井は高いが湯気が多く、あまり湯気抜きはされていないようだ。

よく掛け湯をしてから左にある軟水のバイブラ湯へ。
ここの銭湯は、『熱からず、ぬるからず』をモットーにしているだけあって、さすがの温度調節。
41〜42度位だろうか。
するっとした軟水のお湯、きめ細かな気泡、絶妙な温度が素晴らしく、とても気持ちがいい。

隣は2人入れるマッサージ湯が並び、1人用の壺マッサージ湯もある。

一番右にある深湯もマッサージ湯になっていて、こちらはボタンを押してジェットを出す仕組み。
このお湯だけ淡水で、軟水と使い分けをしている。
深湯は日替わりのお湯になっていて、この日は青リンゴの湯。甘酸っぱい、いい匂い。

冷えきった寒い日に入る柔らかなお湯は最高だ。
身体を洗い、ゆっくりお湯を楽しんでから風呂を出る。

風呂上がり、フロントの女性と少し話しをさせてもらった。
銭湯巡りをしていると伝えると、今のうちに番台のある銭湯に行くことを勧められた。
東京オリンピックが開催される頃にはもっと少なくなっているだろうからって。

今度から都内に行く時は、なるべく都心に近いレトロな所に行ってみようかなって思いながら、銭湯を後にする。

ここの軟水のお風呂は一度行ってみる価値あり。

今日も、いいお湯でした!!


行きやすさ 
雰囲気   
清潔感   
湯加減   
また来たい度

八幡浴場

大田区西蒲田〜はすぬま温泉〜

〜2017年12月16日訪湯〜

しばらくの間改装工事で休業していたらしい、東急蓮沼駅近くにあるこの銭湯。
偶然ネット上でリニューアルオープンの日を知り、当日のオープンが15時とのこと。

その前に12時から内部の見学会と撮影会があり、午前10時から見学会の整理券配布との情報。
整理券は入浴ではなく見学会の整理券で、先着200名で、時間で区切りながら見学できるというもの。
せっかくだから、リニューアルオープンの日に行ってみよう。

朝から車を走らせ、10時30分頃蓮沼駅付近に到着。
ナビに導かれ、すんなり銭湯前に到着。
蓮沼駅からとても近いが、裏道に面しているので偶然通りかかることはないだろう。

建物の前に数名のスタッフの方が半纏を着ていたのですぐにわかり、目の前にいたスタッフの方に声をかけ、車の中から整理券を受け取った。
番号は022番。
12時〜12時15分でお願いしますとのことだったので、しばらく時間を潰すことに。

12時10分前に戻ると、30人位の人が建物前に集まっており、そこには大田区長やJ:COMの撮影、銭湯アイドル湯島ちょこさんらも来ていた。
従業員の方に記念のタオルと飲み物をいただき、時間通りにシャッターオープン。

銭湯のご主人に案内され、リニューアルしたばかりの館内へ。
下足入れはもちろん新品。
新品だが、昔ながらの木札のタイプ。
ここでは下足箱は使わずに、渡されたビニール袋に自分の靴を入れる。

中に入るとフロントがあり、フロント奥の壁には現役最高齢のペンキ絵師、丸山清人氏の作品も飾られている。
小さめの待合スペースにはソファーとテーブルが並び、待ち合わせや休憩所として使えるようになっている。

フロント前の床には30センチほどの丸い画面(デジタルサイネージというらしい)があり、そこにリアルな鯉が泳いでいる。
たまに人魚が出てくるという遊び心もあり、フロントから随分楽しませてもらえる。

オープン前なので、男湯も女湯も両方ゆっくりと撮影させてもらった。
大正ロマンをコンセプトに有名な建築家の方がデザインしたそうで、何をどうリニューアルしたのかわからないほど、全てが綺麗でとてもお洒落な空間になっている。

脱衣所はロッカー式になっていて、ロッカーの前には畳敷のベンチが置いてあり、ロッカーの上には脱衣籠も用意されている。
もちろん、洗面台も床も天井もオシャレ。

浴室は、正面に巨大タイル絵、左右壁沿いにカランが並び、中心が浴槽になっている。
手前から天然温泉の水風呂、天然温泉の高濃度炭酸泉、かけ流しの天然温泉と、公衆浴場ではなかなか味わえない贅沢なお湯となっている。
過去に行った銭湯とは比べ物にならないほど、内装にこだわっているのがわかる。
一通り見て回り、15時のオープンまでの間、またしばらく時間を潰すことに。

オープン前に戻ると、既に40〜50人のお客さんがいて、見学の時よりも年配の方が多く見える。
ほとんどが地元の常連さんだろう。

15時ちょうど、シャッターオープン。
開店と同時に並んでいたお客さんが一気に中になだれ込む。
ごった返す中、新しい下足入に靴を入れ、新しい木札を抜く。
もう何がなんだかわからないほど下駄箱付近はごった返していた。

入浴料+サウナ代を支払い、急いで脱衣所へ。
リニューアルされた室内を見回す方が多い中、さっき来たばかりの自分はさっさと服を脱ぎ、いざ風呂場へ。

よくかけ湯をしてから、まずは一番奥のメインともいえる天然温泉に浸かる。
一番風呂を目指したが、残念ながら2番手。

少し茶色かかったお湯はおそらく40度ちょい位で、とてもなめらかに感じる。
湯船の深さも浅いので、ゆっくり浸かるには最高のお湯だ。

しかし、続々とお客さんが浴室内に入ってきたので、入れなくなる前に隣の炭酸泉へ。
こちらは更に温度が低い(後に調べたところ、炭酸泉は39度設定だそう)。
炭酸泉に入っていると、瞬く間に浴槽は満員。
カランも場所取りのお客さんが多く、どこも満席に。
新たに入ってくるお客さんに押し出されるように風呂を出て、サウナへ。

サウナ室内は7〜8人位が定員だろうか。
こちらもリニューアルしているので、新しい木の香りがサウナ室内を包み込む。
素晴らしく綺麗なのだが、とても残念な事が1つ。
サウナ室内の温度が異常なほど低い。
温度が低い所でも90度前後はあると思うのだが、この時の温度は70度ちょうど。
下段に腰掛けたのだが、足元がスースーするほど。

先に入っていたお客さんも温度の低さをボヤいており、実際には15分入っても少しにじむ程度しか汗をかけなかった。
追加料金を支払っているのだから、ここはしっかり温度管理をしていて欲しかった。リニューアル当日なのだから尚更。

サウナを出ると、浴室は超満員。
浴槽は入る隙間がないほど混み合い、カランは場所取りと洗う人で満席。
その中で唯一空いていたのが、1つしかない立ちシャワー。
ここは備え付けのシャンプー類があるので、それを手に取り立ちシャワーで身体を洗う。
とてもじゃないがゆっくり入れるような雰囲気ではなかったので、不完全燃焼のまま風呂場を後にする。

風呂場を出る際、カランが空かずに洗面用具を持ったまま順番待ちする方が多く見受けられた。
初めて見る光景だったが、それほど混雑しているというのがわかる。

脱衣所から出ると、フロント前には入場規制で入れないお客さんが待っていた。
銭湯もお客さんも、まさかこんなに混むとは思っていなかったのだろう。
やはりこの日は特別だったのか。

残念ながら、お客さんの数とサウナの温度により満足したとは言えません。
いいお湯なのは間違いないので、落ち着いた頃にゆっくり入りに行ってみようと思います。





アクセス度 
雰囲気   
清潔感   
湯加減   
また来たい度

はすぬま温泉

大田区蒲田本町 〜蒲田温泉〜

大田区最初の銭湯は、黒湯で有名な蒲田温泉へ。
午前中から車で向かい、昼前に到着。
ナビ通りに来たので場所はすぐにわかったが、近くに工事現場があるためかコインパーキングがどこもいっぱい。
仕方なく少し離れた所に駐車して、歩いて向かうことに。

環八通りから商店街に入り、しばらく歩いた先の角を曲がるとすぐに見えてくる。
建物より先に見えてきたのは巨大な赤いアーケード看板。
看板には大きく『蒲田温泉』と書かれており、さほど交通量の多いところではないのだが、とんでもないインパクトを放っている。

建物は3階建て位のマンション型銭湯で、一階部分が銭湯になっている。
外壁は黄色いタイルで、入口付近にはお客さんの自転車が並んでいる。

靴を脱ぎ、入口にある券売機で入浴券を購入。
公衆浴場ではサウナが別料金になっていることが非常に多いのだが、ここはサウナの利用が無料とあって、サウナ好きには最高のサービス。
他にも、よくある手ぶらセットの他に、『浴衣手ぶらセット』という物まである。
ここには2階部分に宴会場があり、その他仮眠室まで用意されているので、館内着のような感じで着用するものと思われるが、今回は入浴のみなのでスルー。

中に入り、フロントへ。
フロントには元気よく挨拶してくれる愛想のいい女性が一人。
フロントの前にはガラスのショーケースがあり、入浴に必要な様々な物が販売されている。
オリジナルTシャツも販売していて、各サイズとも、かなりの色のバリエーションがあり、1枚1000円とかなり安く販売している。

他にもフロント前にはテレビ、ソファー、マッサージチェアーが置かれていて、休憩所として利用できる。
普段、ここの二階にある宴会場は食事でも利用できるが、残念ながらこの日は終日貸切になっているとのことで、ここで食事をすることができなかった。
スタッフの方に許可をもらい、偶然居合わせた宴会場の下見の団体の後をついていき、風呂より先に宴会場を確認。
テレビやネット等で見た通り、ホントに普通の宴会場の形をしている。
テーブルと座布団が並び、正面には一段上がったステージまである。
よくある温泉旅館のそれそのものだ。
下に降り、スタッフの方にお礼を言うと、面白い事を教えてくれた。
『先日はね、結婚式の二次会で使って頂いたんです。袴姿の方もいらっしゃいましたよ』。

あまりの衝撃に、失礼ながら『本当ですか!?』と聞いてしまった。
地元の昔からの馴染みの方なんだろうか。銭湯で二次会とは。
借りる方はもちろん、貸す方にも驚きだ。

脱衣所はロッカー式で割とコンパクト。
ロッカーがかなり新しく感じた以外は、特に変わった所はなかった。
荷物が多かったのでロッカーを二つ使わせてもらい、風呂場へ。
風呂場は天井低めで、かなり縦長の印象。

奥が湯船、手前にカランが並び、右手前にサウナと水風呂がある。
水風呂の前にあるカランに座るが、サウナ利用の方がよく通る場所に座ったため、ちょっと手狭に感じた。

カランは左壁沿いに9、鏡付き島カランが対面で10と7、右壁沿いに4。
カラン周りには特別な印象は無し。

まわりのお客さんは小学生の親子連れから墨の入った年配の方まで様々。
まだ午前中だというのになかなか混んでいる。
身体を洗い終えたら湯船へ。

ここ蒲田温泉は天然の黒湯で有名。
奥左側にある黒湯は2種類あり、熱湯とぬる湯に分かれている。
まずはぬる湯から。
ぬる湯というので40〜42度くらいを想定していたが十分なほど熱い。
もちろん、隣の熱湯はさらに熱い。
想像していた以上に。


ここには大きなデジタルの温度計がついていて、2つの湯船の温度がはっきりとわかるようになっているが、何故だか2つとも一桁目のデジタルが見えにくく、はっきりとした温度はわからなかった。
でも、おおよその見当はつく。
熱湯が47〜48度、ぬる湯が44度くらいではないか。
熱湯の針の温度計では54度を指しており、間違いなくこれは故障だとわかる。
54度なんて入れる訳がない。

でも、熱湯好きの自分としてはこの温度は嬉しい。
そしてここの黒湯は、濃さが凄い。
だいたい黒湯といっても、薄く茶色がかった位が多いのだが、ここは違う。
両手ですくってみると、自分の手のひらが見えないほどの黒さ。
しかも独特な匂いもさほどなく、とても入りやすい。

一気に身体を温めたらサウナへ。
サウナはドライサウナで、MAXで7〜8人といったところか。
特に変わった印象は無いが、時計も温度計も見当たらない。
正確にはわからないが、おそらく90度ちょい位。
しばらく汗をかいたらすぐに脇にある水風呂へ。
こちらの水風呂は1人用で、程よく冷えた水が身体を引き締めてくれる。

続いて黒湯の隣の電気風呂とバイブラ湯へ。
こちらは2つとも黒湯ではなく普通のお湯。
電気はさほど強くなく、温度も42度程と、誰でも入りやすい温度になっている。

最後に黒湯のぬる湯に浸かり、風呂場を後にする。


湯あがり、ずっと気になっていたのでTシャツを購入。
またここの黒湯にまた浸かりに来よう。そしたら二階で何か食べよう。

今日も、いいお湯でした!!


アクセス度 
雰囲気   
清潔感   
湯加減   
また来たい度

蒲田温泉

台東区浅草 〜蛇骨湯〜

今回伺うのは下町浅草のど真ん中、江戸時代から150年以上続く“超”老舗銭湯。

銭湯の屋号はほとんどの場合、地名か縁起の良い物から取る場合が多いが、ここはそうではない。
『蛇骨湯(じゃこつゆ)』という珍しい屋号の由来は、江戸時代にこの付近の職人が住んでいた蛇骨長屋という長屋があり、そこから付いた名前だとか。
つまり、時代劇や落語の中の世界、そんな時代からの銭湯なのだ。

江戸時代に強い憧れがある私は、数日前から楽しみで仕方がなかった。
そして当日、車で向かう。
休日の浅草とあって、とんでもない人の数。
あまりの人の多さの為、安全な少し離れた場所にあるコインパーキングに駐車。

そこから少し散歩しつつ、ゆっくり蛇骨湯に向かうことにする。
裏道の駐車場から通りに出て、信号を渡ればそこは雷門。
もちろん、記念写真を撮る観光客でごった返している。

目的は銭湯なのでどこの店にも入らず、仲見世〜六区通りをふらふらと歩く。
やっぱ浅草って、外国人観光客がかなり多い。
向かう蛇骨湯は、雷門からほんの5分程度。
繁華街の中にある上、地図を見ながらなので当然迷わずに到着する。

地図上では場所はわかっていたし、テレビやネットでも紹介されていたのを見ていたので外観なんかはわかっていたが、それでも想像を遥かに超えた立地。
わかりやすく言えば、商店街の裏の裏。
私が来た側とは反対の道には小さな看板があるようだが、観光客が何も知らずに歩いていても、絶対見つけることができないだろう。

建物は、なぜか隣の建物なんかに比べて小さく見える。
ぱっと見一階部分しか見えなく、なんとなく銭湯ぽくない。
雰囲気でいえば蕎麦屋のような、そんな感じ。
建物の隣にはコインランドリーがあり、無人ではあるが元気よく乾燥機が稼働していた。

到着したのが12時30分頃。
しかし、空いてるはずのシャッターが閉まっている。。。
当然、営業時間等は下調べをしてきたが、ここまで来てお休みとは。。。

しかしよく見ると自分の勘違いだと気付く。
開店時間が12時だと思っていたが、本当は13時だった。
開店までの30分間、店頭で開店を待つことを即決。
自分の勘違いではあるが、営業時間前に来たのだから、ここは一番風呂に入ろうじゃないか。

その日はよく晴れていたが、そこは裏道で日陰、おまけに冷たい風が吹き抜ける為すぐに身体が冷えてくる。
並び始めて10分ほど、通行人も通らない裏道で立ち尽くしていると、ついに次に並ぶ方登場。
自転車で乗りつけた常連さんと思われる女性は、40代前半位だろうか。
もうしばらくすると、ぞろぞろと並び始める。
前の方はいかにも常連の御婦人方。
一人で来ている方が多く、列に並ぶと途端に常連さん同士で会話が始まる。
少しずつ列は長くなり、開店直前になると20人以上が並んでいただろうか。

定刻になるとシャッターが開かれ、皆さん一斉に中へなだれ込む。
中に入ると、左手に券売機二台、右が下足箱になっていて、狭いながらもスロープになっていて、バリアフリーに対応している。
新しいタイプのロッカー風の下足箱に靴を入れて、鈴の付いた鍵を抜く。
この時、特に常連さんの女性陣は凄まじいスピードで中へと入って行った。

少し乗り遅れた感があったが、間違えないように券売機を眺める。
さすが浅草の超有名銭湯、券売機の説明書きが日本語、英語、韓国語、中国語と、なんと4カ国で書かれている。

サウナに入りたかったので、
『大人入浴料&サウナ&手ぶらセット800円』
を購入。
入浴料金の他にもレンタルのタオルや小物の販売等があり、手ぶらで来ても全て揃うようになっている。

券を買って中に入ると、すぐ正面がフロントになっていて、女性二人で手際よく対応してくれた。
渡された手ぶらセットはタオル、カミソリ、歯ブラシが手提げ袋に入っていて、濡れたタオルをそのまま持ち帰る事ができるようになっている。
お遍路のスタンプは後回しにして、急いで左手の男湯へ。
脱衣所はとても広く、全体的に木目で清潔感がある。
ここは全て鍵付きロッカー式になっていて、ある程度大きな荷物にも対応しているようだ。
その他脱衣所には洗濯機一台、血圧計、フットマッサージ等が備え付けられている。

サッと服を脱ぎ、手ぶらセットを手にいざ風呂場へ。
券売機やフロントで、もたもたしているうちに数人に追い抜かれ、風呂も先を越されたかと思っていたが、なんとか一番乗りで風呂場に入れた。

風呂場は脱衣所から入ると、正面に大きな大きな富士山のタイル絵。
左手に露天風呂と水風呂の出入り口があり、
左正面角から浅湯、マッサージ湯、電気風呂が並んでいる。
カランは左に4、鏡付きコンクリート製の島カランが6ずつ、右壁沿いに7、正面にも少し狭く見えたが3箇所ほど付いている。
雰囲気は、完全にスーパー銭湯。

まず先に身体によくかけ湯をする。
そして他には目もくれずに目の前の風呂へ入る。
よかった、思いがけず蛇骨湯の一番風呂に入れた。
直後から続々とお客さんが入ってくるのが見えたので、すぐに出て次のメインである露天風呂へ。
露天風呂もあまりゆっくりはせず、他の人が入ってくる前に一度出る。

ここ蛇骨湯は、『黒湯』と呼ばれる立派な温泉で有名である。
その上驚きなのが、各風呂はもちろん、水風呂も、カランから出るお湯もシャワーの水も、全て自家源泉の温泉なのである。
そのため洗面器にお湯を溜める時も、薄く茶色かかったお湯が出てくる。

島カランを陣取り、頭を洗い身体を洗い、髭を剃り、歯を磨く。
公衆浴場のカランから温泉が出てくるって、なんだか贅沢な気持ちだ。
身体を洗っているうちに、風呂場は一気に満員状態、中には外国人の方も。
やっぱり混む前に先に入っておいて良かった。

身体を洗い終え、改めて浅湯から入ろうとするも、満員。
マッサージ湯も、電気風呂も、満員。
ある程度身体が温まっているので、お湯には後でゆっくり浸かるとして、先にサウナへ。
サウナ室内は二段になっていて、7人位が定員位。
普通のドライサウナで、温度はちょうど100度。

こちらも中に入るとすでにほぼ満員。
少しつめてもらって座るも、こうも混んでると居心地が悪い。
公衆浴場にしては珍しく、サウナ室内にテレビが設置されていた。
程よく汗をかいたら水風呂へ。
露天風呂があるドアの向こうには、先ほど入った露天風呂の他に水風呂が設置されている。
正面に手すりがあり、丸椅子に座り少し休めるようにもなっている。
その手すりの先には岩山が造られていて、手すりの下には小さな池があり、そこには多くの鯉が泳いでいる。

このスペースは露天風呂というより、吹き抜けに屋根が付いているような感じで、雨が降っても心配なく入れるようだ。

左手にある水風呂の温度は14度と、熱くなった身体を一気に冷やしてくれる温度になっている。
もちろん、この水風呂も黒湯。
ここで少し黒湯の独特な匂いを感じた。

水風呂から出て椅子に座り、鯉を見ながら少し休憩。
なんかどこかの旅館に来たみたいだ。
いや、温泉旅館にも鯉を見ながら露天風呂ってなかなかないかも。

目の前にある露天風呂が空いてきたので、改めて入る。
温度は40度と、熱湯好きとしては少し物足りなさはあるが、ゆっくり浸かるにはちょうどいいのかも。
だから皆さん長々と浸かっていたのか。

少しして、内湯も余裕ができてきたので移動する。
内風呂は浅湯〜マッサージ湯〜電気風呂まで大きな1つの湯船になっていて、温度は42度と、誰でも入りやすい温度になっている。

さっき入らなかったマッサージ湯はスイッチ式で、押すと勢い良くジェットが出てくる。
隣の電気風呂はかなりの人気らしく、年配の方が次から次へと入りにくる。
ようやく入れたが、あまりの電流の強さに耐えられず一瞬にして出る。
今のところ、都内の電気風呂は全部入れないくらい電気が強い。

ゆっくり内湯に浸かりながら浴場内を見渡すと、さほど大きくはない銭湯だが本当にお客さんが多い。
外国人の方も何組かいるのを見ると、ガイドブックかなんかにも載ってるのかな?

風呂に一通り入ったら、立ちシャワーを浴びて風呂場を後にする。
入る時は気付かなかったが、フロント横には小さな待合スペースがあり、飲み物の販売もしている。

東京下町のど真ん中、憧れていた老舗銭湯を満喫。
次来るときは湯あがりに一杯、久しぶりに電気ブランで有名な神谷バーにでも行きたいな。
やっぱ浅草って街が大好きだ。

最後に、車に乗り込んで気付く。
やはり蛇骨湯の黒湯には独特の匂いがあり、自分の身体にその匂いがついていた。
それも、自分には少し苦手な匂い。。。

まぁいいや、それでもまた来よう。

今日も、いいお湯でした!!


アクセス度 
雰囲気   
清潔感   
湯加減   
また来たい度

蛇骨湯

台東区 上野御徒町〜燕湯〜

車を走らせ、目指すは東京都台東区。
今回は御徒町駅近くの燕湯へ。

今回から新しい事に挑戦する。
それは『銭湯お遍路』。
東京都の浴場組合が発行している『お遍路スタンプノート』という物があり、これを都内の公衆浴場(約580軒)に持参して、入浴の際にお遍路スタンプを押してもらう。
スタンプは浴場オリジナルのデザインになっていて、26浴場達成で認定証が、88浴場で記念品がもらえる。
そのお遍路の最初の銭湯に選んだのが、ここ上野御徒町の燕湯。

では何故、数ある銭湯の中からここを選んだのか。理由は複数ある。
まず早朝営業(朝6時〜)をしていること。
通常銭湯は、午後2時〜3時頃からが多い中、ここはぶっちぎりの早さだ。
そして一番の理由が、東京の銭湯では唯一となる、国の登録有形文化財に指定されているからだ。

お遍路を知った時から、ずっと最初は燕湯と決めていた。

ナビを使ってきたのでもちろん迷わず、幸いにも特別大きな渋滞に巻き込まれる事も無く到着。
御徒町駅の辺りに到着したのが午前11時過ぎ。
銭湯のすぐ近くにコインパーキングを見つけ、そこに駐車。

ナビを頼りにして来たので周りがよくわからず、御徒町駅の表なのか裏なのかもよくわからない。でも駅から歩いて5分位だろう。

こちらの銭湯は大きな通りから路地に入った裏道沿いにある。
ビルとビルの間に、そこだけ時が止まったような建物。
建物は、東京銭湯の代表的な造りである宮造りとは少し違うが、入口の暖簾の上には立派な千鳥破風。
二階?の部分にはいくつか窓がついている。
そこが居住スペースなのかはわからないが、建物の造りが独特だ。
外はコンクリートの壁があり、花王石鹸のレトロなポスターが貼られている。

伺った時は花王石鹸130周年を記念してのコラボ企画だそうで、外の壁の他にも、色々な所に花王のポスターが貼られている。
よく見ると暖簾も花王。
本来の姿が見たかったが、珍しい物が見れたので良しとするか。

その他、入口には変わった物が。
木の板に大きく『わ』と書かれ、その板がぶら下がっている。
これは『わ』と『板』で『わいた』。
つまり、『湯が沸いた』という意味だそうだ。
開店時はわ板。
では閉店時は、『ぬ』と書かれていて、『ぬ板』。
『湯を抜いた』という洒落の効いた物だ。
なんとも、遊び心がいい感じだ。

暖簾をくぐり、松竹鍵の下足入に靴を入れ、右手の男湯へ。
暖簾の先は、昔ながらの銭湯そのものの形をしていて、番台にはご主人と思われる男性がおり、元気よく挨拶してくれた。
お遍路の最初にここに選びましたと伝えると、
『うちが最初でいいのかな?』
なんていいながら、自分で印刷して用意して行ったスタンプノートではなく、新品のスタンプノートに交換してくれた。
そこにスタンプを押して、さらに燕湯のポストカードをいただいた。

東京銭湯の価格460円を支払い、脱衣所へ。
ここは利用客が多いからか脱衣籠は使っておらず、壁沿いと中心に種類の違うロッカーが設置されている。
1つはどこにでもある普通の鍵付きロッカー。
もう1つは、100円バック式の大きめのロッカー。
これは大きな荷物を持ってくるお客さんの為に設置されているのだと思う。
確かに、入口にキャリーバッグ等の注意書きがあった。
少し荷物もあったので、その大きめなロッカーを使用する。
服を脱ぎながら脱衣所を見渡すと、雰囲気は昔ながらの銭湯そのものだ。
天井は高い立派な格天井。

この時、脱衣所には10人以上のお客さんがおり、脱衣所の広さにしては少し服を脱ぐには手狭に感じた。
正直、ここの銭湯でこんなに多くのお客さんがいるとは思わなかった。

服を脱ぎ、いよいよ風呂場へ。


まず驚いたのは、人の多さ。
いわゆる昔ながらのベーシックな銭湯なのに、とんでもない人数が風呂場にいる。
浴室だけでも15人以上はいただろうか。
さすが人気の銭湯だ。

想像通り天井が高く、しっかりと湯気抜きがされている。
正面には中島盛夫絵師による、富士山の立派なペンキ絵。
左下のサインには2016年と、かなり最近描かれたようだ。

カランは左壁沿いに8、対面鏡付き島カランは6ずつ、右壁沿いに6。

島カランを陣取り身体を洗う。
嬉しいことに、燕湯さんにはシャンプー、ボディーソープが備え付けられている。

ガラス戸の前の左右に金属のラックがあり、大きなプッシュボトルにそれぞれ置かれている。

備え付けは非常に嬉しいのだが、頭を洗う時も身体を洗う時にもわざわざ取りに行くのがちょっと面倒だった。
しかも混んでいる上に置き場が二箇所しかないので、少し順番待ちのようになることもある。

サッと身体を洗い終えたら、いよいよ湯船へ。

ここで、燕湯最大の目玉の登場。
ちょうど風呂場の右角、湯船の上に、大きな大きな岩山があるのだ。
それは高さ2メートルほどもあり、これこそが国の登録有形文化財なのだ。
この岩山は、本物の富士山の溶岩で造られており、見た目のインパクトは相当なものだ。

湯船は2つ。
右が浅湯、左が深湯。
どうやら日曜日は薬湯の日らしく、2つある湯船の2つとも『赤ぶどう湯』。
正直、普通のお湯に浸かりたかったが仕方がない。

風呂に入る際、あることに気がついた。
風呂場は非常に混み合っているので、お客さん同士が譲り合って入っているように見える。
よくある、複数人でおしゃべりしながら長々と入っている人は見当たらない。
これは素晴らしい、いい銭湯にはいい客が付くのか。


まずは右の浅湯から入る。
半分溶岩に囲まれた浅湯の温度は43度。
もっと熱いかと思っていたが、それほどでもない。
大きさは5〜6人入れば満員位か。
混んでいるので、あまりゆっくりリラックスできる雰囲気ではないが、足を伸ばして富士山の溶岩を眺める。
いつ頃、どのような経緯で富士山から持ち込んだのか、当時は溶岩の風呂は珍しくなかったのかな、なんて思いながら湯に浸かる。

長湯はせずに隣の深湯へ。
深湯は浅湯に比べ小さく、2人入れば満員だろう。
ちょうど一人出たタイミングで深湯に入る。
温度は46度と、熱湯好みの江戸っ子仕様になっている。

深湯に入る際、湯が赤いので中のタイルが見えず、足を踏み外してドボンと深湯に『落ちて』しまった。
ついでに軽く腕をぶつけてしまい、非常に恥ずかしい思いをしてしまった。
ジリジリと感じる熱湯は私好みで、一気に身体を温めてくれる。

今回は混んでいるので長湯はせず、程よく身体を温める程度で風呂場を後にする。

風呂から出ると、来た時よりも脱衣所が混んでいる。
見た感じ、週末だからか常連さんより観光客の方がが多く見える。
朝6時から営業してるので、今度来る時は早朝に来てみようかな。

それでも常連さんで混み合っているのかな?

服を着て外に出ると、外観の写真を撮っている方が数人。
有形文化財の銭湯は、ある意味観光スポットにもなっているのだろう。

今回も、いいお湯でした!!

アクセス度 
雰囲気   
清潔感   
湯加減   
また来たい度

燕湯

世田谷区祖師谷 そしがや温泉21

祖師ヶ谷大蔵駅近くに車をとめる。
初めて来る町なので、散歩がてらここから歩いて向かうことに。

歩き始めてすぐ、駅前の小さな広場の前を通ると、面白い物を発見。
駅前広場にウルトラマン像が設置されている。
さほど大きくはないが、何も知らない初見のインパクトは凄まじい。
そのまま広場を通り過ぎ、商店街の入り口へ進む。
駅前の商店街の入口にも、一目でウルトラマンとわかるゲートが設置されている。

そしてなんと、商店街の名前も

『ウルトラマン商店街』

後で調べたところ、ウルトラマンシリーズで知られる円谷プロダクションの初代社屋がこの地にあり、『ウルトラマン誕生の地』ということで名付けられたそうだ。

さて、商店街の中へ。

初めて訪れた祖師谷の町は、自分のイメージと少し違い、レトロな雰囲気も残る。
今風の飲食店や酒屋、肉屋等の専門店、スーパー等もあり、この商店街は人も多く活気がある。

ここは車道と歩道の境がない、昔ながらの商店街。
商店街は歩行者専用ではないので車も通るが、通行人が多いのであまり多くの車が通る訳ではない。

商店街を歩くこと数分、見覚えのある建物を発見。
以前テレビ番組でこの銭湯を紹介していた時、曲がり角の目印をなんとなく覚えていた。
商店街からスッと横の道に入ると、少し先に看板を発見。
テレビで見た通りだ。

この時の時刻は午後1時過ぎ。
開店が午後2時なので、もうしばらく歩くことに。
商店街に戻りほんの少し進むと、あの『日本一有名な自転車屋さん』を発見。

そう、その自転車屋さんとは、とんねるずの木梨憲武さんの実家、『木梨サイクル』のことである。
一階が自転車屋、二階が小さなカフェスペースと、木梨サイクルのグッズを販売している。

ここで買い物をしているうちに開店時間が近くなる。
せっかくだから一番風呂に入りたいと思い、早めに向かうことに。

銭湯に戻ると、開店までまだ15分もあるというのに既に列ができている。
高齢の方、若者同士、お子様連れの方までいる。

建物の横には提携駐車場と駐輪場。
どうやら風呂に入ると駐輪場が無料になるようだ。
次回伺う際はここに駐車しよう。

建物の外観はというと、銭湯とは思えない、何かの施設のような外観。
コンクリート製タイル張り三階建ての建物は、一階が銭湯、二階から上がマンションのような感じに見える。
実際マンションなのかは定かではないが、一家族が住むにはどう考えても広過ぎだろう。

エントランスは数段階段を下った所にあり、自動ドアを入ると三台の券売機がある。

開店を待つお客さんは既に20人以上。
午後2時の開店と同時に、二箇所の自動ドアがスタッフの方により開かれると、皆さん一斉に券売機へ。
一番風呂を目指すお客さんに加え、一台の券売機が壊れているので余計混み合う。

【大人入浴料+サウナ+大小タオル付き】
セットで680円の入浴券を買い、建物内へ。

ちなみに、東京都の入浴料は一律460円と決められているので、
サウナと大小のタオルで220円。
タオル付きでこの金額なら全然安いかも。

履物を下駄箱(古いタイプではない)に入れ、フロントに入浴券を渡すのだが、フロントには三名の女性がおり、各自テキパキと動いてお客さんを誘導している。

入浴券を渡すと、タオルが二枚入った手さげとロッカーとサウナの鍵を渡してくれる。
『髭剃りは要りますか?無料ですよ』
と嬉しいサービスも。

さて、ウキウキしながら脱衣所へ。

脱衣所は想像していた通り、明るく広い。
脱衣所を囲うようにロッカーがあり、渡された鍵の番号のロッカーを使用する。

ゆっくり眺めている余裕はないので、急いで服を脱ぎ、いざ風呂場へ。

ガラス戸を開け風呂場へ入ると、いきなり正面にかけ湯が。
小さな小さな2つの湯船には、手桶も用意されている。
2つの湯船は用途が異なり、

左↓
【かけ湯 入る時身体に1〜2はいかけて下さい。】

右↓
【かけ水 出る時身体に1〜2はいかけて下さい。】

と書かれている。
もちろんかけ湯をしてから風呂場へ。

辺りを見渡すと、広さと明るさを感じた。
残念だが、既に一番風呂に浸かっている方も数人。

風呂場は縦長の造りをしていて、天井はさほど高くない。
ペンキ絵やタイル絵もないのだが、奥の壁の上部、風呂場のどこからでも見える所に大きなテレビが付いている。

左壁沿いにはカランが並び、一番手前と奥には立ちシャワーが付いている。

島カランは珍しく、壁沿いと平行に縦長のカランではない。
横に3つカランが並び、鏡付きではあるが対面式島カランになっている。
それが確か4島、合計30以上のカランがある。

椅子と洗面器は、よくある入口付近に重ねてあるのではなく、ここはカラン1つ1つに用意されている。
嬉しいことに、ここにはシャンプーやボディーソープ等も備え付けであるので、手ぶらで来た自分にとってはとても嬉しい。

サッと身体を洗ったら、いざ湯船へ。
湯船は右壁沿いに並んでいて、数が多い。
風呂は大きく分けて4つある。

まずはこちらの銭湯の目玉である黒湯へ。
こちらの黒湯はもちろん温泉で、地下から汲み上げているそうだ。
色は茶褐色、少し独特なにおいも感じる。
温度も42〜3度で、下からボコボコと気泡が出ていて、大きさは3人入れば満員位。

隣には同じく黒湯の電気風呂。
これはどこにでもよくある電気風呂で、どうにかすれば2人は入れるかな。
いつものような軽い気持ちで入り、勢い良く座った途端、唸り声とともに身体がそっくり返ってしまった。

電気の強さがハンパじゃない。。。

今までも、強い所もあれば非常に弱い所もあった。
もちろん、強い所でも入れないほどではなかったが、ここは違った。
電気の出ている所から1番身体を離した状態でないと入れない。
思い切って近づくも、身体が拒否する。

後から入ってきたおじいさんは、余裕の表情で入っている。
残念だが、ここの電気風呂は身体に合わなかったようだ。

次はシルキー風呂へ。
こちらは白湯にミクロバイブラ(超細かい気泡)が出ていて、白く濁ったような色になっている。
おそらく2人用で、こちらは温度が低めに設定してある。
ゆっくり浸かる柔らかなお湯が最高に心地良い。

次は1番大きな風呂、白湯へ。
こちらは軟水の上、トルマリンまで使用しているらしい。
自分にはよくわからないが、健康促進にはとてもいいそうだ。
ここは6人位入れる位の大きさ。
あんまりゆっくり入ると少しのぼせそうなので、少し休憩しよう。

ここには外にプールが付いている。
それを知っていたので、せっかくだからプールに入ってみよう。
向かって右側、黒湯とシルキー風呂の間にガラス戸があり、サウナの鍵を使って外に出る。
(一応)屋外プールは、横2M、長さ10M位だろう。
子連れのパパさん達が数組いて、水中メガネを付けたお子さんと遊んでいる。
メガネを付けていようと、ここは銭湯。
もちろんみんな裸である。

真夏の温水プールに、しかも裸で泳いでみたかったが、1人でそこに入れる勇気が無いので諦めました。
季節を変えて、絶対リベンジだな。

プールサイドにはこれまたオシャレなジャグジーまで付いている。
ここのお湯はどうやら日替わりらしく、この日のお湯は【レモングラス&グレープフルーツ】だった。

これも凄い入りたかったが、こちらもプール同様勇気が無く、諦めた。

気を取り直して、室内のサウナへ。
サウナは向かって真っ正面のテレビの下に3つあり、右から普通のドライサウナ、水風呂を挟んで低音ミストサウナ、そして今回目玉の冷凍サウナがある。

ドライサウナの室内は10人位は入れる位で、思っていた以上に大きい。
100度弱位の温度でしばらく汗をかき、外に出る。
手桶を使い、水風呂の水を数杯頭からかけて汗を流す。
ここで水風呂へは入らず、冷凍サウナへ。

この世にも奇妙な名前のサウナ、ご存知でしょうか?

【冷凍サウナ】

その名の通り、冷凍のサウナなのです。

入口が二重になっていて、中に入るとまさに冷凍庫。
マイナス5度程のこの部屋は電話ボックス位の大きさで、1人が立ったまま入るようになっている。

初めて入る全裸の氷点下の世界。
身体からあり得ない程の湯気を放っている。
しばらくすると汗が止まり、身体の余熱が取れてくる。
2〜3分ほど過ぎると、今度は皮膚が締まってくるのがわかる。

いいね、冷凍サウナ。
好きになりました。

自分は現在、公衆浴場を回っているが、いわゆるスーパー銭湯では、名前は違えど氷点下の部屋があるのは珍しくないらしい。

この部屋目当てに高いスーパー銭湯に入りに行くのも悪くないかも。

この後、

ドライサウナ

少し水風呂

冷凍サウナ

休憩

を何度か繰り返し、ミストサウナをスルーして風呂場を後にする。

最高のサッパリ感を得た風呂上がり、着替えるのはもちろんさっき買ったばかりの木梨サイクルのTシャツ。

脱衣所を出ると、来た時は見る余裕が無かったが、フロントの奥に休憩所が設けられている。
自販機、椅子とテーブル、テレビ、血圧計、マッサージチェア等、休憩所で欲しい物は大体揃っているようだ。

ずっと気になっていて、都内最初の風呂はここと決めていた。

来たら最高だった。

もちろん、また来よう。

今日もいいお湯でした!!




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清潔感   
湯加減   
また来たい度

そしがや温泉21