国分寺市東元町〜桃の湯〜

この日は東京都国立市まで、あの有名な銭湯絵師丸山清人師にペンキ絵を習いに行ったので、その帰りに車で向かう。

当初の予定では国立市唯一の銭湯に行くつもりだったのだが、この日はあいにくの定休日。
それを知ったのが夕方の帰る直前だったので、焦って検索して行きやすそうな所を見つけて向かう。

場所は国分寺市。
それ以外は何もわからないままナビ通りに道を進み、到着した頃には外は既に暗くなっていた。
帰ってから地図で調べたのだが、最寄駅は国分寺駅だったようだ。
国分寺駅の南側に位置する。

こちらは歩道のない商店街の様な通り沿いにあり、建物のすぐ近くに銭湯利用者用の駐車場を見つけたので、そこに駐車。
建物は通りから車一台分ほど奥まった所にあり、建物前には自動販売機や利用者の駐輪場となっている。

こちらは店頭にコインランドリーがあり、コインランドリー店内を通り抜けた先に銭湯の玄関がある為、少し変わった造りをしている。
外観を眺めると、コインランドリーの向こうに高い煙突と立派な千鳥破風が見える。

店内に入り靴を脱ぎ、下足箱の鍵を抜いたら正面にあるフロントで入浴料を支払う。
向かって左側にはソファーとテーブル、テレビが設置してあり、ちょっとした休憩スペースになっている。
ここの空間は、銭湯というより民宿や旅館の雰囲気に近いか。
床が赤っぽい絨毯で、あちこちにレトロな雰囲気を感じる。
フロントのまわりには入浴に必要な様々な商品が並んでいるので、おそらく手ぶらでも問題なく入れると思う。

入浴料を支払ったら左手の男湯へ。
男湯へは暖簾ではなくカーテンで仕切られていて、カーテンの先はすぐ脱衣所。
脱衣所はベーシックな感じだが、オシャレな照明が吊るされていた。
こちらは脱衣籠ではなくロッカー式。
そういえば、今まで行った都内の銭湯は全てロッカー式で、脱衣籠を使う所はなかった気がする。
飾りのように籠が置いてある所はいくつかあったが、流石に今の時代は籠だけでは心配か。

2つ並ぶ洗面台はずいぶん古く感じ、ドライヤーは有料となっている。
脱衣所には何故か大きなガラス窓がついており、その先には小さな部屋のような所が見える。

服を脱いだらいざ風呂場へ。
風呂場の第一印象は、温度と湿気。
天井は高く、昔ながらの銭湯を以前少しリニューアルしたような印象がある。
しかし浴場内の温度と湿気がずいぶん高い気がする。
せっかく天井が高いのだから、もう少し湯気抜きをしたらいいのに。

壁、天井は白いペンキで塗られているが、ずいぶんとはげている。
正面には茶色いタイルが張られている。壁の大きさからして、ここもおそらく以前はペンキ絵だったのだろう。

カランは左壁沿い手前から立ちシャワーが2、シャワー固定式カランが4。
島カランは鏡付き、シャワー固定式で、左側は対面で5ずつ、右側が6ずつ、右壁沿いに7。
サッと身体を洗い、湯船へ。
湯船は3つあり、左がマッサージ付きバイブラ、真ん中に浅湯、右に深湯が並んでいる。
浴槽には全て濃い紺色のタイルが張られている。

まずはちょい狭めの深湯から。
勢いよく湯船へ入ると、お湯の温度に驚いた。
温度計は46度と、かなり熱めの風呂だ。

熱い風呂に浸かると一気に毛穴が開き、玉のような汗が噴き出す。
自分は熱いお湯が好きだからなんとも思わないが、小さな子供はまず入れない温度だろう。

先客が3人おり、そのうちの2人は隣の風呂に浸かっている。
ずいぶんリラックスして入っているように見えたが、こちらも温度は変わらず。
さすが常連さん、慣れている。

深湯から飛び出し、少し身体を冷ましたら一番広い真ん中の浅湯へ。
いつもなら風呂に浸かりながらリラックスできるのだが、今回は状況が違う。
平日の夜7時を回って、現在国分寺の銭湯。
なかなか現実離れした状況だ。

浅湯から出たら、またしばらく身体を冷ます。
汗がひいてきた頃、立ちシャワー隣にあるドアが開いた。
そのドアから出てきたのは、さっき湯船にいた先客の1人。

よく見たら、そこはサウナのようだ。
何も書いてなかった気がするが、無料なのかな?
せっかくだからと思い、その先客が再度中に入った直後に入室。

そこは造りでわかる、いつものドライサウナではなく、低温のミストサウナの造りだ。
しかし、明らかにサウナが稼働していない。
ミストも出ていなけりゃ温度も常温。
そんな中、その先客は室内のベンチの上に寝転び、顔をタオルで隠しながらストレッチをしていた。

『すみません、ここって・・・』
と言いかけるとすぐにストレッチ中の手を横に振り、『やってないよ』の合図。
なるほど、このおじさんの休憩スペースだったのか。。。
この時わかったのだが、さっき脱衣所から見えていた部屋が、まさにこのサウナ室だったのだ。
つまり、脱衣所からサウナが、サウナから脱衣所が丸見えなのだ。
横須賀にも一軒あるが、面白い造りだ。

最後にバイブラ湯に浸かり、水をかぶって風呂場を後にする。

帰りのカウンターで、ドライゼロの試供品を見つけた。
そういえば、全国各地の銭湯で無料配布するって聞いた気がする。
せっかくだから貰おうとすると、なんと冷蔵庫からキンキンに冷えた物をいただいた。
もちろん、外に出るや否や一気飲み。

涼しい風が吹く中、気分と疲れをリセット。
さて、ゆっくり横須賀までドライブだ。
初めて国分寺市に来たけど、銭湯以外全く何も見れなかったので、今度は遊びに来よう。



今日も、いいお湯でした!



アクセス度 
雰囲気   
清潔感   
湯加減   
また来たい度

国分寺市 桃の湯

横浜市西区戸部町〜松島館〜

場所は横浜市西区。
京浜急行横浜駅の隣の駅である戸部へ。
久しぶりに行ったことのない銭湯に行くので、かなり楽しみにしていた。
いつも通り営業時間以外は下調べせずに、ナビだけを頼りに向かう。

その日は初夏の陽気で気温が高く、今年初めての半袖での外出。
暖かな風が吹く午後2時半過ぎに、無事到着。
通り沿いからすぐ見えるが、少し前までは道路沿いに別の建物があり、少し奥まった場所に建っていたようだ。
別の建物があった所は、今は銭湯の駐車場になっている。

開店が午後3時なので、少し早めの到着。
せっかくこの時間に来れたのだから、一番風呂に入りたいところだ。

3台ほどある駐車スペースに車をとめて、いつものように外観を眺めていると、銭湯のおかみさんらしき人が外におり、軽く会釈をしてくれた。
その女性はそのまま建物の中へ。

この時気付いたのだが、開店時間前なのに既に暖簾がでている。
どうやら既に開店しているようなので、外観は入浴後にゆっくり眺めるとしよう。

レトロな造りの下足箱に靴を入れ、右手の男湯へ。
こちらは昔ながらの番台だが、おかみさんは女湯の方にいる。
番台には各種販売品が置かれている他に、小さなラジカセが1つ。
そのラジカセからは、なんとも言えないノスタルジックな曲が流れている。
演歌でも歌謡曲でもない、ハーモニカのノスタルジーな曲。
これは反則じゃないのか。こんな素敵な曲を流されたら、本当に自分が昭和へタイムスリップしたような感覚になるではないか。

入浴料を支払い、脱衣所へ。
脱衣所も昭和銭湯そのものの造りをしていて、高い天井、古いマッサージ機や体重計、大きな鏡と、どれを取っても味のある素敵な空間だ。
ラジカセから流れる素敵な曲に耳を傾けながら服を脱ぎ、脱衣所中心にあるロッカーに衣類を入れる。

入る前にこんな気持ちになるのは久しぶりだ、楽しみで仕方がない。
さぁ、いざ風呂場へ。

風呂場も他所と基本的な造りは変わらず、奥に湯船、手前にカランとなっている。
ペンキ絵は平成24年に描かれた西伊豆からの富士山。立派だ。

浴室には既に5人ほどの先客がおり、先客全員が常連さんのようだ。
よそ者の私は桶と椅子を手に取り、カランを陣取る。
カランは左壁沿に7(この列のみ固定式シャワー付き)、鏡付き島カランが対面で5ずつ、右壁沿に4、一番奥だけ立ちシャワースペースが設けられている。

カランから出るお湯は熱めで、これまた私の好み。
サッと身体を洗ったら、お待ちかねの湯船へ。

湯船は2つ。
左が深湯、右が浅湯となっている。
お湯の温度は少し熱めで、子供が入るにはちょっと熱すぎる位。
でもとても入りやすい湯質なので、熱いのが大丈夫であれば誰でも気持ちよく入れるだろう。

深湯と浅湯を交互に入り、バイブラの気泡に包まれながらゆっくりと上を見上げると、傾きかかった日差しが浴室内に差し込み、白く塗られた壁に日が当たっている。
夜の銭湯も好きだが、明るいうちに入る風呂もまた格別だ。

少し体の熱を冷ましてから風呂場を後にする。
相変わらず流れる最高のハーモニカの音色。
ゆっくりと服を着ながら、少しおかみさんと話させてもらった。

外に出ると、カラッとした陽気なので湯あがりは最高にサッパリしている。
外に出て建物裏へまわると、古い煉瓦造りの倉庫があった。
凄く味のある、古い倉庫は薪等の倉庫だろうか。

ここはみなとみらいや横浜駅等、歩いてすぐの所に大きな街や建物が多いが、スッと脇に入れば落ち着ける場所がある。
隠れ銭湯、またいい所を見つけました。

今日も、いいお湯でした!

アクセス度 
雰囲気   
清潔感   
湯加減   
また来たい度

横浜 松島館