台東区 上野御徒町〜燕湯〜

車を走らせ、目指すは東京都台東区。
今回は御徒町駅近くの燕湯へ。

今回から新しい事に挑戦する。
それは『銭湯お遍路』。
東京都の浴場組合が発行している『お遍路スタンプノート』という物があり、これを都内の公衆浴場(約580軒)に持参して、入浴の際にお遍路スタンプを押してもらう。
スタンプは浴場オリジナルのデザインになっていて、26浴場達成で認定証が、88浴場で記念品がもらえる。
そのお遍路の最初の銭湯に選んだのが、ここ上野御徒町の燕湯。

では何故、数ある銭湯の中からここを選んだのか。理由は複数ある。
まず早朝営業(朝6時〜)をしていること。
通常銭湯は、午後2時〜3時頃からが多い中、ここはぶっちぎりの早さだ。
そして一番の理由が、東京の銭湯では唯一となる、国の登録有形文化財に指定されているからだ。

お遍路を知った時から、ずっと最初は燕湯と決めていた。

ナビを使ってきたのでもちろん迷わず、幸いにも特別大きな渋滞に巻き込まれる事も無く到着。
御徒町駅の辺りに到着したのが午前11時過ぎ。
銭湯のすぐ近くにコインパーキングを見つけ、そこに駐車。

ナビを頼りにして来たので周りがよくわからず、御徒町駅の表なのか裏なのかもよくわからない。でも駅から歩いて5分位だろう。

こちらの銭湯は大きな通りから路地に入った裏道沿いにある。
ビルとビルの間に、そこだけ時が止まったような建物。
建物は、東京銭湯の代表的な造りである宮造りとは少し違うが、入口の暖簾の上には立派な千鳥破風。
二階?の部分にはいくつか窓がついている。
そこが居住スペースなのかはわからないが、建物の造りが独特だ。
外はコンクリートの壁があり、花王石鹸のレトロなポスターが貼られている。

伺った時は花王石鹸130周年を記念してのコラボ企画だそうで、外の壁の他にも、色々な所に花王のポスターが貼られている。
よく見ると暖簾も花王。
本来の姿が見たかったが、珍しい物が見れたので良しとするか。

その他、入口には変わった物が。
木の板に大きく『わ』と書かれ、その板がぶら下がっている。
これは『わ』と『板』で『わいた』。
つまり、『湯が沸いた』という意味だそうだ。
開店時はわ板。
では閉店時は、『ぬ』と書かれていて、『ぬ板』。
『湯を抜いた』という洒落の効いた物だ。
なんとも、遊び心がいい感じだ。

暖簾をくぐり、松竹鍵の下足入に靴を入れ、右手の男湯へ。
暖簾の先は、昔ながらの銭湯そのものの形をしていて、番台にはご主人と思われる男性がおり、元気よく挨拶してくれた。
お遍路の最初にここに選びましたと伝えると、
『うちが最初でいいのかな?』
なんていいながら、自分で印刷して用意して行ったスタンプノートではなく、新品のスタンプノートに交換してくれた。
そこにスタンプを押して、さらに燕湯のポストカードをいただいた。

東京銭湯の価格460円を支払い、脱衣所へ。
ここは利用客が多いからか脱衣籠は使っておらず、壁沿いと中心に種類の違うロッカーが設置されている。
1つはどこにでもある普通の鍵付きロッカー。
もう1つは、100円バック式の大きめのロッカー。
これは大きな荷物を持ってくるお客さんの為に設置されているのだと思う。
確かに、入口にキャリーバッグ等の注意書きがあった。
少し荷物もあったので、その大きめなロッカーを使用する。
服を脱ぎながら脱衣所を見渡すと、雰囲気は昔ながらの銭湯そのものだ。
天井は高い立派な格天井。

この時、脱衣所には10人以上のお客さんがおり、脱衣所の広さにしては少し服を脱ぐには手狭に感じた。
正直、ここの銭湯でこんなに多くのお客さんがいるとは思わなかった。

服を脱ぎ、いよいよ風呂場へ。


まず驚いたのは、人の多さ。
いわゆる昔ながらのベーシックな銭湯なのに、とんでもない人数が風呂場にいる。
浴室だけでも15人以上はいただろうか。
さすが人気の銭湯だ。

想像通り天井が高く、しっかりと湯気抜きがされている。
正面には中島盛夫絵師による、富士山の立派なペンキ絵。
左下のサインには2016年と、かなり最近描かれたようだ。

カランは左壁沿いに8、対面鏡付き島カランは6ずつ、右壁沿いに6。

島カランを陣取り身体を洗う。
嬉しいことに、燕湯さんにはシャンプー、ボディーソープが備え付けられている。

ガラス戸の前の左右に金属のラックがあり、大きなプッシュボトルにそれぞれ置かれている。

備え付けは非常に嬉しいのだが、頭を洗う時も身体を洗う時にもわざわざ取りに行くのがちょっと面倒だった。
しかも混んでいる上に置き場が二箇所しかないので、少し順番待ちのようになることもある。

サッと身体を洗い終えたら、いよいよ湯船へ。

ここで、燕湯最大の目玉の登場。
ちょうど風呂場の右角、湯船の上に、大きな大きな岩山があるのだ。
それは高さ2メートルほどもあり、これこそが国の登録有形文化財なのだ。
この岩山は、本物の富士山の溶岩で造られており、見た目のインパクトは相当なものだ。

湯船は2つ。
右が浅湯、左が深湯。
どうやら日曜日は薬湯の日らしく、2つある湯船の2つとも『赤ぶどう湯』。
正直、普通のお湯に浸かりたかったが仕方がない。

風呂に入る際、あることに気がついた。
風呂場は非常に混み合っているので、お客さん同士が譲り合って入っているように見える。
よくある、複数人でおしゃべりしながら長々と入っている人は見当たらない。
これは素晴らしい、いい銭湯にはいい客が付くのか。


まずは右の浅湯から入る。
半分溶岩に囲まれた浅湯の温度は43度。
もっと熱いかと思っていたが、それほどでもない。
大きさは5〜6人入れば満員位か。
混んでいるので、あまりゆっくりリラックスできる雰囲気ではないが、足を伸ばして富士山の溶岩を眺める。
いつ頃、どのような経緯で富士山から持ち込んだのか、当時は溶岩の風呂は珍しくなかったのかな、なんて思いながら湯に浸かる。

長湯はせずに隣の深湯へ。
深湯は浅湯に比べ小さく、2人入れば満員だろう。
ちょうど一人出たタイミングで深湯に入る。
温度は46度と、熱湯好みの江戸っ子仕様になっている。

深湯に入る際、湯が赤いので中のタイルが見えず、足を踏み外してドボンと深湯に『落ちて』しまった。
ついでに軽く腕をぶつけてしまい、非常に恥ずかしい思いをしてしまった。
ジリジリと感じる熱湯は私好みで、一気に身体を温めてくれる。

今回は混んでいるので長湯はせず、程よく身体を温める程度で風呂場を後にする。

風呂から出ると、来た時よりも脱衣所が混んでいる。
見た感じ、週末だからか常連さんより観光客の方がが多く見える。
朝6時から営業してるので、今度来る時は早朝に来てみようかな。

それでも常連さんで混み合っているのかな?

服を着て外に出ると、外観の写真を撮っている方が数人。
有形文化財の銭湯は、ある意味観光スポットにもなっているのだろう。

今回も、いいお湯でした!!

アクセス度 
雰囲気   
清潔感   
湯加減   
また来たい度

燕湯

横須賀市平作 やすらぎ温泉

新年一発目、今回は平作へ。
場所を特定しただけで、開いてるかもわからないままバイクで訪問。
近くなので当然迷わず到着、開店しているのを確認。
駐車場は建物脇に5台、道路を挟んだ所にも10台位?停められる模様。
看板を除けばとても銭湯とは思えない外観。
扉を開けるとすぐに番台。
履き物を下駄箱に入れて鍵を抜き、番台で入浴料470円を支払う。
この場所には水槽が数個置かれている。
魚は名前はわからないが、熱帯魚と思われる。
番台脇に女風呂の暖簾。
一階部分が女風呂、二階が男風呂になっていて、男風呂へは階段で上がるようになっている。
階段には何故か今上映中の映画や木下サーカスのポスター。
二階に上がりドアを開けると脱衣所。
脱衣所にはマッサージチェアーと自販機が目に入る。
テレビも一台、扇風機数台。
服を脱ぎ、ロッカーに入れたらいざ風呂場へ。
風呂場に入るとまず目に入ったのが、入れ墨バッチリの80前後のおじいさん。
ジロジロ見てたらすんごいこっち見てる(笑)
お客さんの人数も多く、20人程が常にいたように見える。
風呂場は全体的に明るく、清潔感があるように見える。
壁には2つの絵が描かれている。
左手には雪山と湖、右手には山中の川が描かれているが、銭湯のような描き方ではなくタイルに絵を描いている。
まずは身体を洗う。
洗い場はいつも通りベーシックな造りをしている。もちろんシャワーは固定式。
立ちシャワーもいくつかある。
湯船はたぶん6つ。
普通の風呂、薬湯、お湯が滝みたいに落ちる熱い風呂、ジャグジー、電気風呂、寝湯、水風呂。
と、ドライサウナ!
身体を洗ったらジャグジー、電気風呂等一通りの湯に入る。
薬湯だけ空かなかったから最後まで入れなかった。
身体を温めたらサウナへ。
サウナはMAX9人が入れる造り。
サウナ室にはガラスの小窓があり、一部の人がガラス越しに脱衣所のテレビが見れるようになっている。
温度計(ドライサウナとしては少し高めの97度位)、今時珍しい砂時計(五分)があるだけの部屋。
お客さんのほとんどがサウナに入るようだ。
サウナを出ると当然水風呂へ。
他のサウナと比べると、水風呂の温度がいくらか高めだと思う。
立ちシャワーの真水と比べるとよくわかる。
サウナ→水風呂→脱衣所で休憩→熱い風呂→サウナ。
これを繰り返し、サッパリしたところで風呂を出る。
番台横に冷蔵庫と冷凍庫。
酒は無く、ジュースやお茶等と、冷凍庫にはアイスと何故かロックアイス。
営業時間は昼の12時から夜12時まで。
470円でサウナまで入れるのは嬉しい!
バイクでも車でも行けるいい所を見つけました。
また行こう、いいお湯でした!!

アクセス度 
雰囲気   
清潔感   
湯加減   
また来たい度

横須賀市平作1-2-20

上町 当り湯

鶴久保小学校の正門前にある『当り湯』さん。
地元って呼べる地域に残る唯一の銭湯。
建物は素晴らしい位レトロな造りをしている。
建物の脇に駐車スペース有り。
向かって右手の暖簾をくぐり、履き物を脱いで下駄箱へ。
番台には50歳前後の愛想のいいお姉さん。
入浴料470円を支払う。
脱衣所には完全ロッカー制ではなく、昔ながらの脱衣籠。
中の造りは昔ながらの超ベーシックな銭湯の形。
服を脱ぎながら辺りを見回すと、60センチ程の水槽が二段。
よく見なかったけど、たぶん金魚かな。
目線の上には大相撲の力士の手形がズラリと並ぶ。
横須賀巡業の時に使われていた風呂なので当然ちゃ当然か。
それと、撮影していたのか映画のポスターと写真。
風呂場へ向かうと、先客が数名。
銭湯の代名詞である壁画が描かれている。
男湯には田舎の家?が、天井が高いので女湯の方に富士山が描かれているのがわかる。
洗い場はざっと20人位が座れる位か。
身体を洗い、いよいよ湯船へ。
湯船は2つ。
向かって左が深い風呂、右が浅い風呂。
決して綺麗とは言えない、よく言えば“味のある”タイル張りの湯船。
入った第一印象は、思っていたより熱くなかったかな。
でも恐らく温度は42〜43度。
ジャグジーみたいにブクブクしてるので入っていると熱く感じる。
湯船は思っていたより浅く、より小さく感じた。
汗をかいては水を浴び、少し休憩してからまた湯船を数回繰り返し、身体を拭いて脱衣所へ。
コイン制(確か20円)のドライヤー、使えるかわからない中庭にあるマッサージチェアー、タオルや籠等が掛かってて何なのかよくわからないマッサージチェアー風のもの、黄ばんだうちわ等、映画のセットのような完璧な雰囲気。
冷蔵庫には定番の牛乳をはじめ、ビール、お茶、ジュース、ゼリー等が冷やされている。
レトロな建物を後にすると地元。いいね〜。
いいお湯でした!

アクセス度 
雰囲気   
清潔感   
湯加減   
また来たい度

横須賀市上町4-99

安浦 松の湯

安浦、現在の県立大学駅前。

近隣に駐車場が無く、少し離れた所に車を停め、歩いて向かう。

昔ながらのいわゆる銭湯と違い、ここは四階建て位のビルの一階部分が銭湯になっている。

ちゃんと見たわけではないが、恐らく二階から上はマンションか何かだと思う。

全くレトロ感を感じないタイル張りの外観からガラスの扉を開けて中へ。

靴を脱いで下駄箱に入れ、木の鍵を抜く。

番台で入浴料(確か470円)を支払う。

ちゃんと見てないので合ってるかわからないが、番台の脇の男女共有スペースには確か冷蔵庫、椅子、マッサージチェアーが置かれていたと思う。

番台の正面には男女別の暖簾。

暖簾をくぐるとすぐに脱衣所。

脱衣所には意外にも多くのロッカーが。

もしかしたら50個位あったかも。

服を脱いで鍵をかけて、いざ風呂場へ。

風呂場には既に数人の方が入っていた。

全体を見渡すと少し狭く感じたが、きっと建物の構造上のせいだろう。

銭湯の超定番『ケロリン』の洗面器。

見るだけでニヤニヤする。

シャワーは固定(ホース無し)、下のカランは湯、水共に押した分だけ出るベーシックタイプ。

身体を洗い、湯船へ。

湯船は2つ、片方は普通の風呂(マッサージ風にお湯が噴き出してる箇所あり)、もう片方は日替わりの薬湯(この日はヨモギ?)。

普通の風呂に入るとビックリ!

超熱い!!

温度計を見ると45度。。。

温度はそうでもない。。。

たぶんマッサージ風に噴き出してるジャグジーみたいなのがあるから更に熱く感じるのかもしれない。

手の先までビリビリするほど熱く感じるお湯に浸かること数分、汗ダラダラで出て1つだけある立ちシャワーへ。

冬の真水を浴び身体を締め、サウナ後の様な気持ち良さを感じる。

これを数回繰り返し、風呂場を後にする。

出ると脱衣所には3人のおじ様達。

この人数でも脱衣所が狭く感じる。

慣れない場所なので、さっさと服を着て銭湯を後にする。

いいお湯でした!!


行きやすさ 
雰囲気   
清潔感   
湯加減   
また来たい度

こんな感じで連載します(笑)


横須賀市安浦町2-22