横須賀市小矢部 菊の湯

廃業が決まっていて、1日限定で無料開放すると知った先週。
仕事を終え、車で向かう。
住宅街の中にある銭湯に到着すると、道路沿いに数台分の駐車場。
既に2台停まっているので、自分で満車。
銭湯を経営している家?が隣接していて、そこから忙しそうな若い女性が飛び出してきた。
走りながら会釈をしてくれたのだが、その人が誰だかわからなかったのでキョトンとしてしまった。
その後常連さんの話を聞くと、その方はそこの娘さんだったようだ。
建物の脇に入り口があるのだが、ここは普通の銭湯とは形が違うように思える。
高い煙突はあるし、建物の周りには焚き木が山のように置かれている。そこは古い銭湯ならごく普通の光景。
しかし入り口の形や番台(フロント)の形は、他とはちょっと違う。
看板と煙突が無ければ銭湯とは思わないんじゃないかな?
外観の写真を撮り、靴を脱いで下駄箱へ。
下駄箱の鍵を抜く頃にフロントにいる女性から『ありがとうございます、写真まで撮っていただいて』
そう言ってサッと小さな袋を渡してくれた。
袋の中には小さな石鹸、ボディーソープ、髭剃り。
袋止めにシールが貼られていて、そこには感謝の言葉。
男湯の暖簾をくぐり脱衣所へ。
外にも、フロントにも、脱衣所にも、いたるところに感謝の言葉の貼り紙。
指定のロッカーに服を入れ、いざ風呂場へ。
風呂場はベーシックな感じで、手前に洗い場、奥に湯船。
天井も高く、湯気で辺りがくもっていていい雰囲気。
洗い場は15人分位。
よく見てみるとタイルのいたるところが破損しており、見た目的にはちょいと残念な所も。
身体を洗い、湯船へ。
湯船は3つあり、左手からマッサージ湯、気泡風呂、漢方風呂。
残念ながらマッサージ湯は稼働しておらず、普通の深い湯船となっている。
真ん中の風呂に、辺りを見回しながら暫く入る。
客層はやはり近所の常連さんばかりか。
中には子連れのパパさんもいるが、ほとんどが年配の方。
最終日だけあって、今まで行った銭湯の中では一番お客さんが多い。
しばらくして風呂を出てサウナへ。
もともとサウナは追加料金100円だったようだ。
サウナはMAX8人程が入れるスペースで、温度は90度位。
残念ながら時計や砂時計は無く、自分のタイミングで出るようになっている。
サウナ内には常連と思われる年配の方々。
会話を聞いてると、御主人が体調を崩されて入院しているが今日特別に外出して最終日を目届けてることや、近所の空き家の状況等の話をしている。
サウナを出てすぐにある水風呂へ。
水風呂の温度はバッチリ冷たく、少し入っていればキュッと引き締まる。
その後軽く入浴し、風呂場を後にする。
脱衣所には数人が座れるソファー、親子仲良く牛乳を飲む姿が非常に微笑ましい。
銭湯を後にする際、フロントの女性2人が深々と頭を下げてくれた。
もちろんこっちも頭を下げて後にする。
車に乗って帰る際も、馴染みのあるご近所さん達が大勢詰めかけてきている。
最初で最後の菊の湯。
55年続いた銭湯の最後を見届けられました。
今回も、いいお湯でした!!!

アクセス度 
雰囲気   
清潔感   
湯加減   
また来たい度