金沢区六浦 亀遊館

場所は六浦。国道から一本入り、さらに住宅街に入るとすぐに見えてくる。

まわりは場所のわりに静かな住宅街で、裏道添いにある銭湯。

しばらくの間外観を眺める。
ここは立派な破風屋根があるのだが、その破風の前に後付けのようなタイル張りのエントランスがついていて、どうみても増築したような造りをしている。

エントランスの外には駐輪場、建物両側にはコインランドリーが併設されている。


さて、中に入ろう。


ここは珍しく、入口に暖簾がかかっていない。
そんな銭湯が今まであったかな?と思うくらい、暖簾が無いのは珍しい。

そしてもう一つ、非常にレアな物を発見。

それは『傘用ロッカー』。

想像していただきたい。
よくある傘たては、畳んだ傘を立てておき、首のあたりにカギをかけるのが主流。

しかしここは違う。

一見、普通の下足箱に見える。
開けてみると、小さな穴が見えるだけ。
その小さな穴に傘をさし、扉を閉めて鍵を抜く。
小さく見えるが奥行きの長い傘用ロッカー。
映像や写真では見たことがあったが、実際目にしたのは初めてだ。
古い錠前は定番の『サクラ』。

靴を脱ぐ前からニヤニヤしてしまった。


さて、靴を下足箱へ。
傘用ロッカーのレトロ感と違い、下足箱はよくスーパー銭湯等にある100円玉を入れて鍵をかける、新しいタイプの下足箱。
もちろん帰る際に100円は戻ってくる。

中に入ると、こちらはフロント形式になっている。
フロントの向かい側に券売機があり、そこで入浴券を購入するようだ。
券売機の脇には飲み物や小物等が売っている。
シャンプーや石鹸等、必要な物が一通り揃っているので、手ぶらで行っても大丈夫なようだ。

前売りの入浴券を持参したので、券売機を使わずそのまま入浴券と下足箱の鍵を手渡す。

フロントでサウナ利用を伝えると、追加料金200円を支払う。
ここはサウナを利用するとハンドタオルがついてくる。
ちなみにもう+100円でバスタオル付き。

タオルとサウナの鍵をもらったら、フロント右側の暖簾の先の男湯へ。

脱衣場の印象はとても広く感じる。
天井もそこそこ高くて、広い洗面台もある。
両サイドにはこれまた100円バック式のロッカーがあり、中心には座りながら着替えられる大きな台がある。

体重計もデジタルだし、なんだかスーパー銭湯みたいだ。

脱衣場を見渡していると、天井のスピーカーから音楽が流れてきた。

それは、

チューリップの『虹とスニーカーの頃』。

この一瞬でハートを鷲掴みにされました。
銭湯に来てこれは最高です。
タイムスリップ感ハンパないです。
もうニヤニヤが止まりません。

服を脱いだらいざ風呂場へ。
風呂場は昔ながらの銭湯を少し改造したような造りをしている。

残念ながら奥の壁にペンキ絵は無く、茶色のタイルが張られていて、鶴?が三羽大きく描かれている。

先に湯船の説明をする。
銭湯のイメージでは、奥の壁に沿って横に湯船があることが多い。
以前訪れた中で異彩を放っていたのは横須賀市鴨居の銀泉浴場。
そこは両側壁沿いにカランがあり、浴場の中心に湯船がある【関西式】の銭湯だった。

さて、ここ亀遊館はどうかというと、その2つの要素をかけ合わせたかのような、そんな湯船の配置をしている。
説明しにくいのだか、奥の壁沿いから【T字】になっている。
手前から円形、マッサージ風呂。
奥左側から電気風呂、座風呂、水風呂。

まず、戸を開けて一番手前にある風呂が、円形の湯船。
4〜5人は入れる、一番大きな湯船だ。

続いてその円形の湯船の奥にあるのがマッサージ湯。
座りながら背中、ふくらはぎ、足裏をジェットの水圧でマッサージしてくれる。
ここに入れるのは2人のみ。

続いて、奥の壁沿い左側にある電気風呂。
こちらの電気風呂は、今年に入ってからの新設の風呂だそうだ。
確かにここだけタイルがとても綺麗だ。
そしてここの電気風呂の電気の強さは過去最高。
いろんな電気風呂に入ってきたが、ここの電気風呂は電気が走ると身体がグッと硬直してしまうほど強い。
電気風呂が好きな方にはおすすめします。

続いて奥の壁沿い中央。
こちらは座風呂となっており、座り方は前出のマッサージ風呂と同じで、こちらも2人のみ。
少し後ろにもたれて座り、ジャグジーのような気泡を楽しみながら入れるようになっている。

続いて奥の壁沿い右は水風呂。
こちらは後ほど説明する。


カランは両側壁沿いに取り付けられていて、左壁沿いに9、右壁沿いに6。
マッサージ風呂の裏に3、入口のガラス戸の脇にも3つある。
もちろん、昔ながらのカランだ。


ケロリン桶を使ってサッと身体を洗い、今説明した順番で湯船に入る。

さて、注目したいのは温度だ。
ここの風呂は、全体的にぬるめの41度ほど。
個人的には少し物足りないが、長く入っていられる温度だ。

でもやっぱり温度に物足りなさを感じながらも一通り入り、身体を拭いたらサウナへ。
サウナは風呂場に入ってすぐの右奥にある。
サウナ室の前にはとても小さな水風呂があり、ケロリン桶が1つ置いてある。

サウナ室内は2段になっていて、最高10人位は入れるだろうか。
ここにもスピーカーが設置されていて、ここではスピッツが流れている。
注目の温度はなんと114度。
こちらのサウナの温度は、ぶっちぎりで過去最高の温度だ。
元々あまり長く入らないタイプだが、ここはとてもじゃないが長くなんて入っていられない。
なにより、入ってすぐに全身から汗が噴き出す。

どうにかロビンソンを最後まで口ずさみ、水風呂へ直行。
サウナの外の水風呂ではなく、奥の壁沿いにある水風呂へ。
頭から水をかけて汗を流し、大きめの水風呂へ入る。
こちらの水風呂は井戸水とあって、この季節でもずいぶんひんやりしている。
水風呂には珍しく、下からボコボコと気泡も出ている。
汗だくの身体を引き締めてくれる、最高の水風呂だ。

風呂とサウナと水風呂を2度楽しんだところで風呂場を後にする。

入る時は気がつかなかったが、脱衣場に小さな小窓がついている。
この小窓はフロントと繋がっており、何か必要な物があった場合、ここから商品を買うことができる仕組みになっている。

風呂上がり、ご主人に建物について聞いてみた。
昭和17年にできた亀遊館は、昭和41年に現在の風呂場を増築し、更に昭和62年に現在のエントランスやフロントがある建物を増築したそうだ。

古い建物だが新しさも見え、掃除が行き届いている非常に清潔感のある風呂でした。

ここはお子様連れでも楽しめると思いますので是非。
土日祝日はロビーで指圧整体もやっているそうです。


今日もいいお湯でした!!


アクセス度 
雰囲気   
清潔感   
湯加減   
また来たい度

亀遊館