汐入 大黒湯

車で訪問。
近くのコインパーキングにとめて少し歩く。
今回の大黒湯さんは、子之神通りというバス通りにあるため、横須賀在住の方はこの銭湯を知っている方も多いと思います。
突然ですがここから話が少し逸れます。
何故、この通りが子之神通りというかと言うと、この通り沿いに子之神社という神社があります。
その神社の祭神は、大己貴命(おおなむちのみこと)。
数多くの別名がありますが、その中の1つが大黒様とも言われています。
その神社のすぐそばにある大黒湯。
写真をよく見てください、建物の中心の屋根の下。
こちら、大黒様の顔です。
神社の祭神の名が付いた銭湯で、その神様のシンボルが付いているとなれば、これは間違いなく神社にあやかっての事でしょう。
色々調べていくと、このように興味深い事がわかってきたりします。
ただ、個人的に勝手に調べた事なので憶測ですが。。。
では、話を戻します。
通りに面した暖簾をくぐるとハの字の入口。
左手の男湯へ。
脱衣所内に下足箱がある場合、靴を脱いだら先に入浴料を支払い、靴を持って下足箱に入れるのが通常。
しかしここは皆さん下足箱を使用しておらず、先客の方は皆さん脱いだまま入浴しているようだ。
昔ながらの番台には誰も座っておらず、販売用のタオルが置かれている。
声をかけると、番台下の仕切りカーテンの向こうからご婦人の声。どうやら常にカーテンの向こうに座っているようだ。
元気よく挨拶してくれたご婦人に入浴料470円を支払う。
この日、ちょうどボディーソープを切らしていたので使い切りタイプの小さな物を買おうとしていた。どこの銭湯にも置いてある、40円のビオレUを。
しかし大黒湯さんには販売用のボディーソープが無いという。
その代わりにと、使い切りではない普通サイズのボディーソープを渡してくれた。
それは使いかけの物で、なんと貸し出し用だそうだ。
おそらく横須賀市内で貸し出し用のボディーソープがあるのはここだけだろう。
そしてここの番台には一枚のサイン色紙。
その色紙は、タレントの鈴木奈々さんが大黒湯さんに書いたもの。
私は見ていないが、数年前に古い銭湯の清掃をするというテレビの企画があったそうだ。
その古い銭湯が大黒湯だったと。
脱衣所も昔ながらの造りで、古い体重計、くすんだ大きな鏡がいかにもレトロ。
脱衣所で他所の銭湯と大きく異なる所は、普通に家の家具が置いてあるということだ。
プリンターが乗ったパソコンラック、大きなテレビ台(以前よくあった、テレビのまわりが棚みたいになっているタイプ)、小ぶりな家庭用冷蔵庫。
冷蔵庫はまだわかる。
家庭用なので中はわからないが、飲み物が冷やしてあるかもしれない。電源が入っているかどうかもわからないが。
ロッカー前は家具に占領されているので脱衣籠に衣類を入れる。
準備ができたところでいざ風呂場へ。
ガラス戸を開けて第一印象は、ずいぶん静かだなと感じた。
銭湯の多くは湯船から気泡が出ており、その気泡の音が『銭湯の音』と言っても過言ではない。
しかし、ここの湯船からは気泡が出ていないようだ。
先客は2名、身体を洗っている。
ケロリン桶と椅子を持ってカランの前に座る。
カランは左の壁沿いに5、島カランは対面で4つずつ、右壁沿いは6、合計19。
島カランはシャワーと鏡は付いてない。
先客の2人は右の壁沿いのカランを使用しているので、左壁沿いのカランへ。
椅子に座り、からお湯を出そうとするがいつまで経っても水のまま。
困ってキョロキョロしていたら、今まで付いていたであろうシャワーが取り外されているのに気付く。
シャワー無いしお湯も出ないので、先客がいる反対側へ移動する。
移動した先のカランからは、もちろんすぐにお湯が出た。
身体を洗うも、やはり近くに先客がいると落ち着かない。
いつも利用客が少ない場合はなるべく人がいない方を使う事が多いので、尚更先客2人に挟まれると落ち着かない。
うち1人はこれまたとんでもない刺青を背負った常連さんらしき人。
さっさと身体を洗って湯船へ。
こちらはペンキ絵ではなくタイル絵。
雪山をバックにした里山のタイル絵が貼られている。
左側面には小さな富士山のタイル絵もある。
湯船は2つあり、左が浅湯、右が深湯。
まずは深湯から入る。
ここの深湯は他所より少しだけ深いと思う。
温度計は無いが、45度程の熱めのお湯。
熱いお湯だが、ここのお湯はすごく気持ちいい。
これだけ銭湯に通えば、多少だがお湯の違いもわかってくる。
他所にもあったが、身体にお湯をまとう様な、まろやかなお湯。
よく薪で沸かすとお湯がなめらかになると言われているが、その中でもたまに『当たり』のお湯に入れる事がある。
嬉しいことに、ここはそのうちの1つだ。
何故薪で沸かすとお湯がなめらかになるか、その理屈はまた次回以降に説明します。
浅湯にも入ったが、誰かが水を入れたのかずいぶんぬるく感じた。
なので深湯に入り身体を芯から温め、水をかぶって風呂場を出る。
番台のご婦人、最後までとてもいい笑顔で送り出してくれました。
やはりこのタイプの銭湯、最高です。
ぽっかぽかに温まり、銭湯を後にする。
今日もいいお湯でした!!

アクセス度 
雰囲気   
清潔感   
湯加減   
また来たい度

横須賀市汐入町4丁目9
くせすど

横須賀市汐入 亀の湯

車で向かう。
駐車場が無さそうなのですぐ近くのコインパーキングに車を停める。
コインパーキングから亀の湯までの間に長光寺というお寺があり、その階段の下には子育地蔵尊がある。
歩いているすぐ目の前にあるので、お参りしてからお風呂へ。
この亀の湯さん、今まで行った銭湯の中ではぶっちぎりでディープな立地にあり、何か用が無ければまず通らない道にある。
通り沿いにどんと構えるものではなく、いわゆる“横丁の風呂屋”である。
佇まいは最高、入り口からレトロ感がハンパない。
暖簾を見ると“亀ノ湯”の文字。
地図やネット等の表記は『亀の湯』、
暖簾は『亀ノ湯』。
どっちでもいいのかな?
レトロ銭湯としては当たり前の『ハの字』の入り口、左手が女風呂、右手が男風呂。
戸を開けてすぐの下駄箱に履き物を入れ、番台で入浴料470円を支払う。
この時、番台にいたのは女性。
その女性は銭湯に似合わない若い女性。
自分と同年代か、若く見える年上の方か。
とにかく番台の方にしては若い。
脱衣所入ると驚いたことに、脱衣所(もちろん番台含む)がとんでもなく寒いのだ。
真冬の寒さの中、その番台の女性はボブスレーの選手のように番台にうずくまり、毛布に包まれた状態でいたのだ。
おそらく脱衣所内には暖房器具は無く、何時間もとんでもなく寒い番台にいたのだろう。
白い息を吐きながら脱衣所を見渡すと、天井が高いことに気付く。
脱衣所の天井なんて気にしたとがなかったが、ここの天井は他所より高いと思う。
山に囲まれた土地だから換気のためにこの形なのかな。
昼間に日が差すのであれば、是非見てみたい。
女風呂からはテレビの声が聴こえる。
残念ながら女風呂にはお客さんが居なそうでした。なので番台の方が見ていたのかな。
長椅子に座り暫くしてから服を脱ぎ、昔ながらの脱衣籠に衣類を入れ、いざ風呂場へ。
風呂場に入ると、脱衣所と共に天井が高い。
天井と壁は空色に塗られていて、壁には富士山と川と橋と茅葺き屋根の家が描かれている。
風呂場をぐるっと見渡すと先客が1人。
カランを陣取り、身体を洗う。
このシリーズでは初のケロリンではない洗面器。
椅子は昔ながらの緑色の『コの字』の椅子。
これを見たのは子供の頃以来です。
わからない方は調べてみてください。
風呂場全体としては、ごくごく普通の銭湯の造り。
身体を洗ったらいざ湯船へ。
湯船はベーシックに左手が深湯、右手が浅い湯。
まずは深湯に入る。
わかってはいたが、とんでもなく熱い!
温度計はなんと!
38度(笑)
壊れてやがる(笑)
でも身に覚えがある熱さである。
以前明徳湯の深湯にあった50度の風呂と体感温度が似てる。
つまり50度位って事か。。。
水を少しずつ入れながら入るも、もちろん長くは入れず、短時間の出入りを繰り返す。
繰り返し入ると慣れてくるのが怖い(笑)
熱すぎて長湯はできないので、水シャワーを浴びて脱衣所へ。
湯あがり、身体から湯気をモクモクあげながら服を着る。
脱衣所には冷蔵庫が置かれていて、牛乳等の飲み物がごく少量ずつ冷やされていた。
体が冷えないうちに、銭湯を後にする。
暖簾をくぐるとそこはタイムスリップしたような世界。
最高の銭湯がここにもありました。
今回も、いいお湯でした!!!

アクセス度 
雰囲気   
清潔感   
湯加減   
また来たい度

横須賀市汐入町5丁目2
横須賀市汐入町5丁目2