三春町 富乃湯
電車で向かう。
堀ノ内駅下車徒歩1〜2分、とはいえ駅前である。
知ってる道なので当然すぐ着く。
暗くてよく見えなかったが、高い立派な煙突が見える。
入口には暖簾がかかっておらず、中もなんとなく暗い。
もう終わっちゃったのかなと思い、建物脇へまわるとケロリンとタイルの『カッコーン』の音。素晴らしい。
正面に戻り入口を確認すると『左側男湯』だということに気がつく。
このシリーズ初の左側。
男女左右どっちにあるかは諸説あるらしいが、その説の1つに
『覗かれやすい側を男湯にする』
というのがあるらしい。
今回伺った富乃湯さんは、営業確認する為にまわった建物脇が住宅街に続く道沿いにある。
窓を開けたら外から見える可能性があるので、その説にあてはまる。
男湯のガラスの引き戸をカラカラっと開けると昔ながらの番台。
番台には齢80を超えたであろう年配の男性。
『いいですか?』
と声をかける。すると
番『30分で出てもらえるかな?』
私『わかりました!すぐ出ます』
番『申し訳ない』
どうやらもう閉める時間らしい。
暖簾が無いのはもう閉店時間だったからか。
少し申し訳ない気持ちになったが入浴料470円を支払い、脱衣所へ。
番台脇には小さな置物、おもちゃ、フィギュア等が整理されて並んでいる。
おそらくご主人の趣味だろう。
脱衣所には椅子4脚とテーブルが置かれていて、まるで家のダイニングのよう。
テーブルの上にはうちわが数枚。
左右壁側にロッカーがあるが、脱衣籠も用意されている。
ロッカーの前には荷物が置けるようにベンチも置かれている。
せっかくあるのでロッカーを使用する。
急いで服を脱いだらいざ風呂場へ。
風呂場は奥行きはさほどなく、壁にはペンキ絵ではなくタイル絵で、鯉が数匹描かれている。
床とカランまわりのタイルがとても綺麗で、張り替えてからそんなに時間が経っていないと思う。
天井が高く、壁に付けられた蛍光灯に照らされた湯気がなんとも言えない景色を生み出していた。
先客は1人。
カランは15人分あり、いつも通りの造りをしている。
洗面器はいつものケロリン。
特に変わった所は無いが、下のカランの湯の温度が他所より低い。
身体を洗ったら湯船へ。
湯船は1つだが、奥の壁から左側の壁にかけてL字になっていて、角には小さな岩山が造られている。
湯の中にステンレス製のフェンスがあり、お湯は同じだが別々の風呂になっている。
左側は普通の風呂で、右側は深湯でボコボコと沢山の気泡が出ている。
気になる湯の温度は46度、熱いはずだが銭湯好きとしては適温。
こちらのお湯はとても柔らかく、入りやすい。
大袈裟に表現すると、湯に浸かるというより身体に湯を纏うような感じ。
時間が無いので長風呂ができなかったのが残念だが、左右の湯に交互に入る。
いい感じで汗をかいたら水を浴びて身体をキュッと締める。
名残惜しいが風呂場を後にする。
脱衣所ではご主人がテレビを見ていた。
テレビには正月番組のCMが流れており、録画と思われる。
ご主人がリモコンを操作すると、テレビは録画一覧に切り替わる。
録画されていたのは
『相棒』と『バカ殿』。
年配の方でもバカ殿好きなんだと思うと笑いをこらえるのが大変でした。
他にお客さんもいなく、私が最後の客なのでご主人に話しかけてみた。
詳しくは書かないが、いろんな貴重な話が聞けた。
現在は日曜休み、営業時間も15時から18時頃までと縮小しているそう。
身体も動かなくなってきているので、営業時間を縮小して、細く長く風呂屋を続けていくそうです。
また電車に乗って行こう。
今日もいいお湯でした!!
アクセス度
雰囲気
清潔感
湯加減
また来たい度