磯子区中原 杉田湯

車で訪問。
場所は京浜急行杉田駅からすぐ。
駅からダッシュで1分程の場所にある。

駅裏のコインパーキングに車を止め、歩いて向かう。
杉田駅は国道16号側の商店街がある方は何度も行ったことがあるが、駅の裏は初めて来た。

商店街側とは違い、裏側はとても静かで車通りも少ない。
住んでいる方しか通らないような道だ。

駅に沿って少し歩き、そこから裏道へと進む。
しばらくすると電柱に看板があったので更に細い道に入る。
しかしそこはまるで人の家の敷地に入ってるのかと思う位、ローカルな道だ。
すぐに建物が見えるのだが、暖簾を確認するまで信じられなかった。

失礼な話だが、こんな所に銭湯があるの?って思ってしまった。
少なくとも、立地だけでいえば過去の銭湯の群を抜く超ローカル銭湯だ。

あの電柱の看板がなければ、もしかしたらたどり着けなかったかもしれない。
そんな場所にある杉田湯は一体どんな銭湯なのか。
下調べは営業時間を確認する以外一切しないので、少し不安になってしまった。

細い道の奥にある建物のまわりは行き止まりになっていて、そこに住んでいる人か銭湯の客しか通らないだろう。
外観をいつものようにゆっくり見たかったが、あまりのローカルっぷりにビビり、不審者と間違われたくなかったので諦めた。

建物は古いモルタル製で、時代を感じさせてくれる。
建物の前には飲み物の自販機、小道を挟んだ向かいにベンチがある。
この小道も銭湯の敷地内のようなものだろう。


さぁいよいよ暖簾をくぐって銭湯へ。
そこは昔ながらの『ハの字』の入口で、右が男湯、左が女湯になっている。

そしてこちらにも傘専用ロッカーが。
左右に男女別の下足箱があり、真ん中に傘用ロッカーが置かれている。
靴を下足箱に入れて鍵を抜き、カラカラっとガラス戸を開ける。

『いらっしゃいませ』

ギリギリ聞こえない位の声で出迎えてくれた番台の方に入浴料470円を支払い、脱衣場へ。

番台も脱衣場も、昔ながらの銭湯そのものだ。
特に変わったものは見当たらない。

女湯側の仕切りには大きな鏡、そこに置いてあるドライヤーの使用料は20円。
小さな冷蔵庫があり、ひと通りの飲み物は用意されているようだ。
レトロの代表格ともいえる牛乳のメーカーの青いベンチも置いてある。
外には小さな坪庭があり、綺麗な紫陽花が咲いている。

他にも脱衣場内に洗濯機が二台、乾燥機が一台置いてあり、コインランドリーの要素も兼ねている。

ここは脱衣籠ではなくロッカー式。
脱衣場の中心に大きなロッカーがあり、右壁沿いには常連さん専用の場所も用意されている。

直前まで西日が入っていたせいか、脱衣場がとても暑い。
窓も扇風機も全開だが、ずいぶん温度が高い。
さっと服を脱ぎ、鍵を抜いたらいざ風呂場へ。

風呂場の第一印象は、お客さんの多さ。
この大きさの銭湯の割にはかなりお客さんが多いと思う。
もちろん年齢層は高いが、それでも中には若い方もいる。
風呂場にいただけでも8人位いただろうか。

風呂場は天井が素晴らしく高く、壁や天井は白と水色で塗られている。
風呂場も全体的にベーシックな造りをしている。

カランは右壁沿いに5。
島カランは鏡シャワー付きで対面式5ずつ。
左壁沿いに6。
左右壁沿い一番手前に立ちシャワーが1つずつ。
もちろんケロリン桶を使用し、椅子は白い小ぶりのもの。
こちらはタイルも鏡も綺麗だ。

身体を洗っていると、多くの方がこちらをチラチラ見てくる。
よほどよそ者が珍しいのか、それとも自分がキョロキョロし過ぎて目立っていたのか。
何故だか視線を感じる。

身体を洗ったら湯船へ。
湯船は2つ。左が座風呂、右が浅湯。

まずは浅湯へ。
5〜6人は入れる位の少し大きめの湯船。
温度計は46度を指しているが、もう少し低いだろう。

久しぶりに、本当に久しぶりに自分の好きな湯質の風呂に入れた気がする。
ぬるくなく、熱過ぎない自分に合った温度。
薪で炊いたなめらかなお湯は、身体全体を優しく包み込む。
ゆっくりと湯に浸かり、心身ともにリラックス。

隣の座風呂は、かつて深湯だったのを改造して作ったと思われる。
温度は浅湯と変わらず。
2人用で、こちらはジャグジーになっている。

ペンキ絵はわりと最近塗り直したのか、とても綺麗な富士山が描かれている。
ペンキ絵を巡るのも、銭湯の醍醐味の1つだろう。

身体の芯まで温まり、水をかぶって風呂場を後にする。

脱衣場には腰にタオルを巻いてオロナミンCを飲むおじいちゃん。
実に微笑ましい。


久しぶりにレトロ丸出しの銭湯に来れた気がする。
たまに出会う、自分にピッタリのお湯。
こういう出会いがあるから、銭湯はやめられない。

また来ます。

今日もいいお湯でした!!


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湯加減   
また来たい度